昨年のリアム・ローソンの活躍が記憶に新しいスーパーフォーミュラだが、今年もヨーロッパから有力な外国人ドライバーが参戦する。2023年のFIA F2チャンピオン、テオ・プルシェール(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)だ。

 プルシェールは昨年末の鈴鹿テストで初めてスーパーフォーミュラの車両をドライブ。そして同じく鈴鹿で開催された2024年シーズンの開幕前テストでは、ウエットコンディションとなった初日こそ低調な滑り出しとなったが、ドライコンディションとなった2日目はまずまずのタイムを記録。午前セッションは9番手、午後セッションは6番手だった。

「昨日(テスト初日)は雨で多くの周回をこなしたけど、これはウエットコンディションにおけるこのマシンを理解する上で良かった。そして今朝のドライコンディションでのパフォーマンスは素晴らしかった。順位は9番手だったけどタイヤは1セットしか使っていないからね」

 2日目午前のセッションを終えてインタビューに応えたプルシェールは、そう語った。テスト全体して、とても満足できるものになったようだ。

 今季のスーパーフォーミュラではプルシェールの他にも、昨年のF2でランキング4位だった岩佐歩夢(TEAM MUGEN)が参戦しており、テストでも好タイムを連発するなど順調ぶりを見せている。ヨーロッパから有力F2ドライバーが複数送り込まれることで、シリーズもさらに活性化している印象だ。

 その一方で、実は彼ら以外にもスーパーフォーミュラのシートを模索していたF2ドライバーが複数いるという話はパドックからは口々に聞こえてくる。例えば2022年のF2チャンピオンであるフェリペ・ドルゴビッチもそのひとりであり、TGM Grand Prixの池田和広代表も「去年F2に乗って、今年乗らないドライバーとはほとんど全員話をした」と認めている。

 プルシェールはテスト直前の会見の中で、F1はシート数も限られていて非常に厳しい世界であるため、F2ドライバーにとってスーパーフォーミュラは「良い場所」だとコメント。今後はスーパーフォーミュラに参戦するF2経験者が増えるだろうと語った。

「ヨーロッパのレースからスーパーフォーミュラに参戦するドライバーが増えているけど、これはF1に行くのが難しく、シートも多くないからだ」

「F2チャンピオンやF2の好成績者だって、行き場をなくすことがある。僕たちはそこでただ待っていたり、シミュレータだけをしたり、年に1回か2回しかない(フリー走行)セッションに出るだけではなく、何かに乗って走りたいと思っている」

「若いF2ドライバーにとっては良い場所だ。マシンも速いしF1に近いからね。将来的には、もっと多くの(F2)ドライバーがスーパーフォーミュラにやってくるだろうね」

 F2のパドックでスーパーフォーミュラが話題に挙がることはあるのかと問うと、プルシェールはこう答えた。

「もちろん。話をしているよ。スーパーフォーミュラとF2のマシンの比較はよくするし、スーパーフォーミュラの方が断然速いという話になる」

「同時に、F1にどうやって辿り着くのかという話にもなる。良い結果を残しても、居場所がないことがあるからね。パフォーマンスだけではない。悲しいけどそういうものなんだ」

 プルシェールは、スーパーフォーミュラに参戦することは特に自分にとって理に適った選択肢だと語る。

「僕にはふたつ選択肢があった。ひとつは、単にF1のリザーブドライバーとして活動すること。それも素晴らしいしありがたいことだけど、乗るのはほとんどシミュレータで実際にドライブできない。ただ傍らで待つというのも難しいことだし、待たされた結果それが何にもならないことだってある。いつかF1ドライバーになれるという保証はないんだ」

「そしてもうひとつの選択肢が、スーパーフォーミュラだったんだ。このチャンスをくれたTEAM IMPULに感謝したい」

「僕はモータースポーツが大好きで、とにかく走りたいと思っている。結局のところ、F1でシミュレータをするのも良いけど、スーパーフォーミュラではたくさんの優秀なドライバー、チャンピオン経験者のチームメイト(国本雄資)と共に戦って色んなことを学べる。素晴らしいチームで、美しいサーキットを超高速で走らせる……そういう僕の大好きなことができるのは幸せなことだ」