3月2日(土)、バーレーン・インターナショナル・サーキットにてF1の2024年シーズン開幕戦バーレーンGP決勝が行なわれた。新シーズンの趨勢を占う重要な1戦をレッドブルのマックス・フェルスタッペンが制した。

 ラマダンの影響によりバーレーンGPは、通常の金曜日〜日曜日のフォーマットから1日前倒しとなり、決勝レースが土曜日に行なわれた。金曜日の予選ではマシンに大きな変更を加えながらもチャンピオンらしい強さを発揮したレッドブルのフェルスタッペンがポールポジションを獲得し、フェラーリやメルセデス、マクラーレン、アストンマーティンが上位を占めた。

 上位から下位のチームまで僅差の戦いとなった予選を経て、レースではどのような序列になるのか? バーレーンGP決勝はその答え合わせの機会となった。

 中東のバーレーンは3日間を通して晴れ。レースが開始される薄暮の現地18時は気温18度、路面温度24度というコンディションだった。

 新品かユーズドかの違いはあれ、全車がスタートタイヤにソフトを選択。フォーメーションラップを終えて20台のマシンがグリッドに並んだ。赤く灯ったシグナルが消えて57周の決勝レースの幕が上がり、各車が一斉に飛び出した。

 2番手スタートのシャルル・ルクレール(フェラーリ)は良い蹴り出しを見せるも首位浮上には至らず、フェルスタッペンが首位をキープ。メルセデスのジョージ・ラッセルが3番手に続いた。

 フェルスタッペンが序盤から逃げを打つ中、今年から2周目にDRSが使用可能となったこともあり、フェルスタッペンから離されるルクレールをラッセルが早々に攻略。ルクレールは難所ターン10でのロックアップが目立ち、レッドブルのもう1台セルジオ・ペレス、チームメイトのカルロス・サインツJr.にも交わされてしまった。

 マクラーレン勢はフェラーリ勢から少し離れて5〜6番手を走行。その後方は大きな隊列となって入賞争いが展開された。

 10周目以降に各車が最初のピットストップへ。上位では2番手を走っていたラッセルやタイヤが厳しかったルクレールが先にピットでハードタイヤに交換した。ペレスはそこから1周遅れでピットへ入りコース上でラッセルのオーバーテイクを完了して事実上の2番手に浮上。サインツJr.はピットストップタイミングの関係で一度ルクレールに先行を許すも、ターン1への飛び込みでポジションを奪い返し、その前を走るラッセルも軽々と料理した。

 ファーストスティントを引っ張ったフェルスタッペンは17周終わりにピットイン。先に後続がピットインし、30秒以上のギャップを形成していたことからトラックポジションを失うことなく首位でコースに戻った。

 これで全車がタイヤ交換義務を消化。フェルスタッペン、ペレス、サインツJr.、ラッセル、ルクレール、ランド・ノリス、オスカー・ピアストリ(共にマクラーレン)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、周冠宇(キック・ザウバー)というトップ10だった。

 11番手スタートの角田裕毅(RB)はスタートでひとつ順位を上げたものの、ピットストップを遅らせたことで後退。アンダーカットに成功した11番手の周をコース上で攻略できなかった。

 上位に目を戻すと、首位のフェルスタッペンは2スティント目も攻めの手を緩めず唯一1分35秒台のラップタイムを刻んで一人旅状態。サインツJr.は一時的に2番手のペレスに接近したものの、スティント終盤に徐々にその差は開いていった。

 サインツJr.は36周目にピットでハードタイヤに交換。レッドブルはそこから1周遅れでペレス、2周遅れでフェルスタッペンを呼び込みソフトタイヤを投入した。

 フェルスタッペンは1分32秒608のファステストラップを叩き出してリードを広げ、20秒近く後方でペレスが2番手を走行。3番手サインツJr.はレース終盤までハードタイヤのタイヤライフの利を活かせず、ギャップを縮められなかった。

 ラッセルはレース終盤まで4番手を走ったものの、46周目にターン10で痛恨のロックアップ。その隙を突かれてルクレールにポジションを明け渡してしまった。メルセデスはハミルトンもマクラーレン勢に挟まれる7番手で苦しい戦いを強いられた。

 なお、レッドブルと同様のタイヤ戦略を採ったのはRBのダニエル・リカルド。ピットタイミングによって角田が複数台にアンダーカットを許したことも関係しているが、ソフト→ハード→ソフトと繋ぐ戦略で13番手の角田の後方に迫った。

 レース最終盤、ハードタイヤを履く角田は12番手のケビン・マグヌッセン(ハース)を1秒差で追いかけていたが、RBは戦略違いのリカルドを先行させることを選択。2台のポジションを入れ替え得たものの、リカルドもマグヌッセンを攻略するには至らなかった。

 その遥か彼方前方では、フェルスタッペンが1周目から一度も首位を譲らずトップチェッカー。2位に入ったチームメイトのペレスに22.457秒差をつける圧巻の走りだった。昨年同様、今年もレッドブル&フェルスタッペンが圧倒的な強さを持っていることは疑いようもない。

 表彰台最後の1席はサインツJr.が掴んだ。ハミルトンが2025年からフェラーリに加入するため、今年限りでチームを追われることが決まっている状況で、開幕戦から4位に入った僚友ルクレールを上回った。

 5位ラッセル以降はノリス、ハミルトン、ピアストリ、アロンソ、ランス・ストロール(アストンマーティン)というトップ10。入賞したのはレッドブルとフェラーリ、メルセデス、マクラーレン、アストンマーティンの5チーム10台であり、開幕戦でチームの今季の実力差が反映されたと言えよう。

 周はポイントにこそ届かなかったものの、予選17番手からアンダーカットを成功させて11位フィニッシュ。マグヌッセンは最後までRBの2台から逃げ切って12位でチェッカーを受けた。ポジションを入れ替えたものの不発に終わったRBは、レース後に長いデブリーフィングが待っているだろう。

 次戦は1週間後のサウジアラビアGP。こちらも決勝が土曜日に行なわれるので要注意だ。