富士スピードウェイで行なわれているスーパーGT公式テストの2日目。観戦しているファンや関係者を驚かせたのは、前日に大クラッシュを喫したPONOS RACINGの45号車PONOS FERRARI 296が、未塗装のマシンで走行していたことだ。

 今季からフェラーリ296 GT3を投入してスーパーGTのGT300クラスに新規参戦するPONOS RACINGだが、雨に見舞われたテスト初日、女性ドライバーのリルー・ワドゥーが雨量の増えていたタイミングでコカ・コーラコーナー手前でアクアプレーニングを起こしてコースアウト。マシンはフロントからバリアに激突した。幸いワドゥーは無事だったものの、フロント部分が大破した296がすぐに修復できる状態ではないことは一目瞭然だった。

 しかし翌日9時からのセッションで、チームはマシンを送り出すことができた。その風体から新車であることが予想されたが、一夜でどのようにしてこの車両を手配したのか? チームの関係者に話を聞くと、様々な巡り合わせが重なっていたことが明らかとなった。

 話によると、そもそもPONOS RACINGは2024年シーズンに向けて昨年の段階から新車の296をオーダーしていたという。しかしそのデリバリーが開幕戦直前になることが予想されたため、チームは既に所有していた296でテストに参加し、開幕に向けた準備を進めていたのだ。この動きに関しては、スーパーGTのプロモーターであるGTアソシエイションからも許可を得た上で行なったという。

 そして富士テストの週になって、ヨーロッパから車両が空輸され、日本国内の空港に到着していたことがチームの耳にも入ってきた。そして今回のテスト初日でアクシデントが発生したわけだが、チームは同日中に車両を取りに行けば2日目に間に合うことが判明したため、通関の済んだ車両を急いで引き取りに向かい、23時ごろに富士スピードウェイに車両が到着。車両自体は組み上がった状態でのデリバリーだったが、安全チェックやスーパーGTで必要な装備など諸々の作業をチームスタッフが徹夜で完了させ、セッションに間に合わせたというのが事の顛末だという。

 このように、様々なタイミングが噛み合ったことでテスト続行が実現した45号車フェラーリだが、2日目午前のテストセッションではケイ・コッツォリーノが10番手タイムをマークするなど、そのポテンシャルの高さを見せている。