F1日本GPのフリー走行1回目には、RBからレギュラードライバーの角田裕毅と、レッドブル陣営でシミュレータドライバーを務める岩佐歩夢が出走した。

 岩佐にとっては、これがF1公式セッションデビュー。岩佐らをサポートするホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長がFP1での働きを評価した。

 昨年末のアブダビテストでF1初ドライブを済ませていた岩佐は、日本GPのFP1にRBのレギュラードライバーであるダニエル・リカルドのマシンを借りる形で出走。シミュレータとの相関関係を測る作業の他に、アップデートの比較、リカルドのFP2以降の走行に向けたセットアップやタイヤの確認などを実施した。

 FP1で岩佐は、マシン習熟を兼ねたミディアムタイヤでのロングランを行ない、燃料搭載量の関係から完全な予選想定ラップとはいかなかったもののソフトタイヤでのタイム計測も行なった。

 岩佐がFP1で記録したタイムは、セッショントップタイムのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)から2.047秒差となる1分32秒103。角田とは0.873秒差だった。

「基本的にはレース(の週末)なので、それに向けた確認事項になります。タイムを出すというよりは、正確にちゃんと走ってねというのが彼に対してのオーダーで、それを着実にこなさなければいけませんでした」

 渡辺社長はセッション終了後、岩佐のFP1での走行プランについてそう語り、次のように評価した。

「無線を聞いていて思ったのは、本当にフィードバックが正確かつ的確で、非常に良いと思いました。結果的に燃料も少し重いままでしたが、その中では良いタイムを出したと思います」

「本人とも降りてきてすぐに話をしましたが、『思ったよりいいタイムで良かったです』みたいなことを言っていました。いい仕事ができたと思います」

 また今後のフリー走行での出走機会など、HRCとして岩佐のサポートを続けると渡辺社長は語った。

「もちろんチームが決めることですが、彼がステップアップできる色々なチャンスを提供できるよう、サポートしていきたいと思います。シミュレータドライバーとしても貢献していますし、色々な機会を作って、彼が頑張れるようにしたいです」

 岩佐は鈴鹿サーキット・レーシングスクール(現ホンダ・レーシングスクール・鈴鹿/HRS)を卒業後、レッドブルとホンダの育成ドライバーとしてヨーロッパへ戦いの場を移した。

 2023年にF1直下のFIA F2でドライバーズランキング4位を獲得し、F1フル参戦に必要なスーパーライセンスの発給条件を満たした岩佐は今年、日本のスーパーフォーミュラへ参戦している。

 初のF1公式セッションを経験した岩佐にかける今後の展望を渡辺社長に尋ねると、まずはスーパーフォーミュラでF1に乗るに十分な注目、支持を集める必要があると語った。

「当然F1に乗るためにやっていると思うので、まずはスーパーフォーミュラのチャンピオン。タイトルを獲らなくても、スーパーフォーミュラでしっかりとした走りを世の中に見せること(が重要)だと思います。やはりアピールポイントは必要ですよね」