メルセデスF1を率いるトト・ウルフ代表は、F1日本GPは現地に来ない予定だった。しかし彼は予定を変更して来日……その理由について今はチームと共にいることが大事だと語っている。

 ウルフ代表は拡大を続けるF1の開催カレンダーの中でタイムマネジメントの一環として、いくつかのフライアウェイ戦を欠場するプランを立てていた。そして、そのひとつが日本GPで、このときウルフ代表はヨーロッパのファクトリーへ戻って仕事をするつもりだった。

 しかし第3戦オーストラリアGPでダブルDNFに終わるなど、苦しいシーズン序盤となっている中、ウルフ代表は土壇場で計画を変更。日本GPにも現地参加することを決めた。

 計画を変更したことについて説明を求められたウルフ代表は、今季マシンW15のペースを改善するためのいくつかの重要な実験が予定されていた日本GPでは、チームと共にいることが重要だと感じたのだと説明した。

「日本には来ないつもりで計画していたんだ。ヨーロッパに戻ってやるべきことが山積みだったからね」と、ウルフ代表は言う。

「しかしそれから、日本に来ないのは間違った選択だと感じた」

「レースチームとと共にいることが重要だと考えたんだ。動きのあるそばにいるのは、私にとって良いことなんだ」

「いくつか実験を行なっているが、チームの一員として参加していることで本当にエネルギーがもらえる。逆もまたそうだといいね。だからこそ、ヨーロッパにとどまらないと決めたんだ」

 メルセデスは勝利から遠ざかってしまっているが、これまでのマシンデザインの、特に車高の選択におけるミスを理解しており、それが最終的にレッドブルとの差を縮めるために必要なものになるだろうと、大きな期待を寄せていた。

 これまでのところメルセデスはまだ返り咲きはできていないが、ウルフ代表はチームがトップへ戻るために必要なモノを備えていると確信している。

「これはチームスポーツなんだ。我々は8回連続でチャンピオンとなったが、それはこれまでに無かったことだった」

「そして他のチームスポーツのように、苦戦する時期もあるし毎回勝つことはできない。だからこそ、これは難しい挑戦なんだ」

「レースでも勝てていないし、1シーズンだけというわけでもないし、トップに返り咲けていない。3年連続でね」

「だが数年後に振り返って、あれは本当に大変だったが、組織的な観点から見ても我々のツールやシステムの再評価の点で、チームの発展にとっては非常に重要だったと語っているだろうと、私は確信している」

 メルセデスがより深く理解しようとしている問題のひとつは、ファクトリーにおけるシミュレーションツールで示されるようなダウンフォースレベルが、現実世界ではなぜ生み出されないのかということだ。

「ラップタイムで見えるよりも、はるかに多くのダウンフォースを我々は(シミュレーションで)測定できているんだ。そして、それが2022年にこのレギュレーションが導入されて以来、ずっと苦労していることだ」

「だから我々は今、バーチャルな世界で見ているパフォーマンスを実際のコースへどう反映させることができるのかを評価するために、新しい方法を模索している段階にある。これは今までできていなかったことだ」