岡山国際サーキットで行なわれたスーパーGT開幕戦の予選。8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTは非常に高いポテンシャルを見せながらも、ワンミスが響き決勝ピットスタートの憂き目に遭ってしまった。

 今季からホンダ陣営がNSX-GTに代わるマシンとして投入したシビック・タイプR-GT。首脳陣も「発展途上」と語るようにまだまだポテンシャルを引き出している最中と言えるが、それでもそんな控えめなコメントとは裏腹に、開幕戦から100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTが予選3番手に入るなど、ライバルとも対等に渡り合っていると言える。

 しかも、その100号車STANLEYの結果を上回る可能性を秘めていた車両があった。それが8号車ARTAだ。

 8号車は松下信治がQ1アタックを担当し、セクター1では全体ベストタイム。セクター2を通過してもトップと0.011秒落ちと、セッショントップが狙えるペースで周回していた。しかし最終コーナー手前のマイクナイトコーナーでややオーバーラン気味になってタイヤをダートに落とすと、最終コーナー立ち上がりでも同じく左のタイヤをダートに落とした。それでも1分18秒235とその時点での10番手タイムを記録したが、このラップタイムは走路外走行により抹消。8号車のベストタイムは1分31秒634ということになってしまった。

 しかも、今季から導入となったQ1、Q2のタイム合算方式が事態をややこしくした。

 スーパーGTではQ1やQ2を走らないことで、決勝に向けてタイヤを温存してアドバンテージを築こうとする車両をなくすため、“基準タイム”(各組上位3台平均の107%タイム)を設けている。松下がQ1で記録したタイムというのは、その基準タイムには及んでいない。そしてその基準タイムに達していない車両は、その時点で決勝ピットスタートが確定してしまうのだ。8号車がQ2を走らなかったのもそのためだ。

「GT300の隊列が行くまで待たないといけないので、基本的に1分以上のロスがあると思います」と語る松下。「僕的にはちょっと奇妙なレギュレーション」と訝しげだ。

 また松下は自身のアタックを振り返りつつ、マシンにはポールポジションすら狙えるポテンシャルがあったと語った。

「マイクナイトコーナーでは、少し跳ねるところがあってコースを外れてしまいました」

「4輪全部がコースから外れてしまったので、ラップタイプが抹消されました。それ以外で言えば全体的にとても良いバランスでした。マシンに問題はなかったですし、ダメージもありませんでした」

「速さはかなりありました。ポールポジションを争うチャンスさえあったと思います。富士でテストした時は問題なかったのですが、ここ岡山では(公式テストで)かなり苦戦していたので、ある意味驚きでした」

「今回は暑いのでダウンフォースも比較的少なくなりますが、それで他のメーカーが遅くなった一方で、僕たちは変わらなかった……あとはレースペースがどうかですね」