今季はシーズン開幕から大苦戦を強いられてきたアルピーヌだが、第5戦中国GPでアップデート版のマシンパッケージを手にしたエステバン・オコンからはポジティブな声が聞こえてきた。

 アルピーヌは2022年シーズンにコンストラクターズランキング4位を獲得して以降、2023年はランキング6位とポジションを下げ、マシンコンセプトを変更して臨んだ今年は開幕4戦を終えて無得点と最下位争いに後退。技術チームからは離脱者も現れるという惨状だった。

 苦境に立つアルピーヌだが、スプリント形式での開催となった第5戦中国GPでアップデートを投入。軽量化されたシャシーと新しいフロアがオコンのマシンに実装された。

 シーズン開幕時点では車両の最低重量を上回っていたアルピーヌのA524。チーム側は今回のアップデートでまだ目標とする数値には到達できていないものの、軽量化が着々と進んでいることを認めていた。

 そして決勝用の予選でQ2進出を果たし今季最上位となる13番手を手にしたオコンは、アップデートについて次のように語った。

「小さなステップだけど、無視できるモノではない。現時点では、これが今季ベストのスタート位置なんだ」

 そしてオコンは次のようにも語った。

「無視できるほど小さな一歩じゃないけど、トップ10にはまだ程遠い。だから僕らは満足していないけど、正しい方向に向かっているのは確かだ」

 またオコンは、13位に終わったスプリントでのレース内容から、A524の弱点だったコーナリング性能が向上したのではないかと推測した。

 主な弱点は改善されたと感じるかと尋ねると、オコンは次のように答えた。

「今回のレースでは、他のマシンと比べて、僕らはコーナーではとても速くて直線ではあまり速くないみたいだ」

「みんなが同じダウンフォースレベルになったらもっと精査してみるつもりだけど、現時点ではコーナーでとても速そうだ。どうなるか見てみよう」

 オコンが新パッケージを手にした一方で、チームメイトのピエール・ガスリーは次戦マイアミGPまでアップデートがお預けという状況だが、予選Q1ではオコンを上回り、Q2ではオコンから0.24秒差の15番手となった。

 この差が意味するところをガスリーに尋ねると、彼はにこやかに「本当のことを言うと、生意気だと言われるかもしれない」と含みを持たせて答え、次のように続けた。

「僕が持っているエアロパッケージでは……おそらく(アルピーヌ内での)順位は変わらず、(良くてオコンのひとつ下の)12番手にいたはずだ。コンマ2〜3秒の差かな」

「軽量化もできたし、空力も改善されたようだ。結局、重要なのはそれが機能しているかどうか。データからは、やるべきことが分かっている」

 そして「生意気だと言われるかもしれない」と語った真意をガスリーに訊くと、次のように答えた。

「(予選ラップが)本当に良かったんだ。特にQ1はエステバンの前、10番手で通過できたし、Q2でもとても強力なラップだった」

「だから正直なところ、僕らがやったことには満足している。スプリントの後はもう少しアグレッシブに攻めてみたんだ。セットアップの面でもね。ただターン8で底付きが激しくなって、当たるたびにマシンのコントロールを失いかけた」

「失うモノはなかったから、アグレッシブに攻める価値はあった。でもそれを除けば、とても良いラップだった」