上海国際サーキットを舞台にF1第5戦中国GPの決勝レースが行なわれ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。RBの角田裕毅はリタイアとなった。

 COVID-19の影響により5年ぶりとなった中国GPは、今季初のスプリントフォーマットでの開催となった。土曜日に行なわれたスプリントではレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝し、その後行なわれた決勝レースへ向けた予選でも、しっかりとポールポジションを獲得した。

 決勝日の天候はグランプリ2日目に続いて曇り。レース前は気温19度、路面温度31度というコンディションだった。

 ほとんどのドライバーがスタートタイヤとして新品ミディアムタイヤをチョイスした中、11番手ランス・ストロール(アストンマーティン)、18番手ルイス・ハミルトン(メルセデス)、19番手角田、ピットスタートを選んだローガン・サージェント(ウイリアムズ)が新品ソフトタイヤを選択。17番手のケビン・マグヌッセン(ハース)が唯一ハードタイヤを選び、他とは異なるタイヤ戦略でポジションアップを狙った。

 ポールポジションのフェルスタッペンはフォーメーションラップへ向かう前に「もう雨が落ちてきたよ」と無線でチームに伝えたが、雨が降ることはなく全56周の決勝レースが執り行なわれた。

 スタートでホールショットを獲得したのはフェルスタッペン。3番手スタートのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は蹴り出しが良く、ターン1でセルジオ・ペレス(レッドブル)をアウト側から大外刈り! これで2番手に浮上した。

 しかしペレスも食い下がり、5周目にアロンソ攻略を完了。ただ、この時点で首位フェルスタッペンは既に5秒以上のギャップを築いており、その後もその差は開いていく一方だった。

 アロンソは対ペレスの走りでタイヤを消費したかラップタイムが低下し、8周目のターン14でランド・ノリス(マクラーレン)にも先行を許した。

 後方では9周目にして早くも1回目のピットストップを行なうドライバーも。上位勢でもアロンソが11周目終わりにピットへ飛び込み、レッドブルは13周目終わりにフェルスタッペンとペレスを同時にピットに呼び込み、2台ともにハードタイヤを履かせた。

 フェルスタッペンは2スティント目でさらにペースを上げ、1スティント目を引っ張るルクレール、ノリスを抜いて19周目には首位に戻った。

 すると21周目にイエローフラッグが提示。入賞を狙える位置で好走を続けていたバルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)をマシントラブルが襲い、ターン11でマシンを止めたのだ。

 イエローフラッグはバーチャルセーフティカー(VSC)に切り替わり、まだピットストップを行なわずに走り続けていたルクレールとノリスはここでピットへ入った。

 ボッタスのマシン撤去に時間を要したことでVSCはセーフティカー(SC)に。VSC中にピットインしていなかったドライバーもほとんどがピットでハードタイヤに履き替えた。

 ただ27周目からのレース再開が宣言され、SCがピットに戻って各車がペースを落として隊列を組む段階でリカルドとストロールの玉突き事故が発生。リスタート直後には角田がマグヌッセンに激突され、コース脇にマシンを止めることになった。

 中国GPで角田は週末を通して苦戦を強いられたが、決勝ではオープニングラップで19番手から16番手までポジションを上げ、SC後にさらなる追い上げを狙っていた。ただ、弱り目に祟り目……もらい事故によるリタイアとなった。なお、ストロールとマグヌッセンに対しては接触の原因を作ったとして、それぞれに10秒のタイム加算ペナルティが科された。

 角田のマシンがストップしたことで、このレース2回目のSC出動に。トップ10はフェルスタッペン、ノリス、ルクレール、ペレス、アロンソ、サインツJr.、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、リカルド、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)という並びになった。

 レースは32周目から改めて再開。ここでは大きなアクシデントもなく、各車がレーシングスピードに戻っていった。

 リカルドはSC出動時もステイアウトを選択して入賞圏内につけたものの、ストロールに追突されたことによるフロアのダメージは大きく、コース上でズルズルとポジションを下げ、チームはリカルドのリタイアを決定。RBとしてはこれでダブルDNFとなった。

 フェルスタッペンはレース再開後も快調に飛ばし、44周目の時点で2番手ノリスに8秒のギャップを形成。その2台をペレスが追いかけた。ノリスと同様に1ストップ戦略を選択したルクレールはペレスに交わされて4番手に後退したものの、そこから大きく遅れることなく4番手で走った。

 ほとんどがハードタイヤで走る中、アロンソはソフトタイヤを履き5番手を走行。43周目終わりにピットへ入り、新品ミディアムタイヤに切り替えた。

 これでアロンソは入賞圏外まで落ちたものの猛追を見せ、50周目にはピアストリを交わして7番手までポジションを回復。アロンソはその前を走るラッセルとの10秒近いギャップを削りにかかったが時間切れ。4秒及ばず7位フィニッシュとなった。

 その43秒前方ではフェルスタッペンが余裕のトップチェッカー。今季4勝目を挙げた。ノリスは2位表彰台を獲得したものの、ホームストレート上ではなくピットレーンにマシンを戻してしまうという珍事も起きた。

 3位ペレス以下は、ルクレール、サインツJr.、ラッセル、アロンソ、ピアストリ、ハミルトン、ヒュルケンベルグというトップ10。ヒュルケンベルグは貴重な1ポイントをチームに持ち帰り、コンストラクターズランキングでもハースが6番手RBとの差を2ポイントに縮めた。ただヒュルケンベルグは、セーフティカー解除時にストロールに追突されたリカルドを抜いてしまったとして、レース後に審議されることになっている。

 なお今回が母国戦となった周冠宇(キック・ザウバー)は14位フィニッシュとなり、特別にホームストレート上にマシンを止めることが許されるという粋な演出も行なわれた。マシンを降りた周は、母国のファンによる”冠宇コール”を受けてしゃがみ込み、涙を堪える様子もあった。