ハースF1チームの元チーム代表であるギュンター・シュタイナーは、ドライバーの暴言は大げさすぎる扱いをされていると語った。

 チームの立ち上げからハース代表を務めてきたシュタイナーは、強面ながら愛嬌のあるキャラクターで世界中から愛されたが、NetflixのF1ドキュメンタリー『Drive to Survive(栄光のグランプリ)』でもその魅力は存分に発揮された。

 少々口が悪いところもシュタイナーの魅力のひとつだったが、今のF1ではペナルティの対象になってしまうかもしれない。

 FIAは国際競技規則を変更し、悪態や暴言などについてのペナルティを厳罰化。違反が重なれば多額の罰金だけでなく、レース出場停止やポイント剥奪もあり得る規則となったのだ。会見での発言だけでなく、無線での会話でもペナルティが出る可能性があるとして、ドライバーたちは難色を示している。

 2024年シーズンを前にハースを離れたあと、F1を半ば外から見ているシュタイナーは、物議を醸しているこの変更について次のように語っている。

「それは少し、大げさに扱われていると思う」

 アデレード・モータースポーツ・フェスティバルに訪れた彼はそう話した。

「悪態は良いことなのか? おそらくそうではないだろう。では悪いことなのか? そうではないかもしれない。それは状況によるんだ」

「どんなスポーツでも、特にモーターレースではアドレナリンが出る。高速で走っているわけだし、誰かに割り込まれたりしたら、無線でそれを取り戻せと言ったりしても問題はないんだ」

「だって、礼儀正しく『ちょっと、次はこうしてくれないかな』って言われたいか? そんなことは言わないだろう。もっとうまく管理できたはずだ。多額の罰金を科すのではなくてね。みんなが船乗りのように悪態をつくべきだとは言わないけど、今はみんながそれを口にするんだ」

「ドライバーたちを座らせて『おい、みんな、ちょっと静かにしてくれ』と言うような、もっと違うやり方があったはずだ。私は、スポーツは感情から成り立っていると思うし、時には奇妙な”Fワード”もあるものだ」

 この意見は、メルセデスのジョージ・ラッセルに近いものがある。ラッセルも、ドライバーの感情は大事にするべきだと訴えている。

「時と場合というものがある。僕たちドライバーの感情はリアルで、本物であることを保証しなければならない。特に無線やレース直後のインタビューなんかはね。それはピュアなモノだからね」

「木曜日の午後、大勢の人の前で話すのであれば、悪態をつく必要はないかもしれない。でも、生の感情に関しては、可能な限り本物に近づける必要がある」