日産のフォーミュラEチームのバイスプレジデント兼マネージングダイレクターを務めるトマソ・ヴォルペは、日産の大規模な経営再建計画によってチームのシリーズ参戦が危ぶまれることはないと示唆した。

 日産は5月13日、2024年度の決算を発表し、純利益が6709億円の赤字となったことを報告し、それに伴い経営再建計画を発表。2026年度までの自動車事業の営業利益およびフリーキャッシュフローの黒字化を目指し、固定費と変動費で計5000億円のコスト削減を実施すると明かした。

 具体的には、経営再建のため日産は全世界で2万人の人員を削減し、車両生産工場が7つ削減される。また、北九州で予定されていたバッテリー新工場の建設も中止となった。人員削減の対象にはR&D(研究・開発)部門の直接員なども含まれ、開発プロセスの刷新によりリソースの合理化が行なわれるという。

 しかし、フランスのル・マンからパリ郊外の新ファクトリーへと移転したばかりのフォーミュラEチームには影響がないようだ。

 東京E-Prixを前にmotorsport.comの取材に応じたヴォルペは次のように語った。

「グローバルビジネスの話に直接的なコメントはできないが、我々には(チームに手が加えられる)計画はない」

「我々のフォーミュラE参戦のコミットメントに影響はない。パフォーマンス面でも、我々はこのスポーツを牽引するメーカーでいたいと思っている」

 業績悪化に苦しむ日産は2025年2月に、ホンダとの経営統合に向けた協議が破断となり、一連の報道を受けてフォーミュラEのジェフ・ドッズCEOは、日産のシリーズ参戦に関して「影響がないと思いたい」と語っていた。ヴォルペが継続の意向を示したことで、シリーズとしても胸を撫で下ろすことができるだろう。

 日産はチーム母体であるe.damsと提携を結び、フォーミュラEにシーズン5(2018-19)から参画を開始。2022年初頭には日産が完全にチームを引き継ぎ、シーズン9(2022-23)からワークスとして参戦してきた。

 既に2024年の東京E-Prixで日産は、少なくとも2030年までフォーミュラEにエントリーする覚書にサインしたことを発表。シリーズに第4世代マシンGen4が導入されるシーズン13(2026-27)に向けた準備も進めてきた。

「我々は実際に昨年の東京E-Prixで(Gen4へのコミットメント)を発表した」とヴォルペは言う。

「2030年までこのスポーツに注力すると認めた最初のメーカーだったのだ」

 日産はGen3 EVOが使用されている今季のシーズン11で絶好調。エースカーである23号車に乗るオリバー・ローランドは、ここまでの7戦で5回の表彰台を獲得し、うち3回が優勝と圧倒的な強さを見せ、ドライバーズランキングをリードしている。

 また日産パワートレインを使用するマクラーレンも好調を維持している。マニュファクチャラーランキングでも、日産は他5メーカーを押さえてトップに立っており、好調を維持したまま、5月17日(土)から5月18日(日)に開催される第8戦・第9戦東京E-Prixを迎える。