左から星野源、ムロツヨシ、大泉洋

「つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事を、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ」

 誰しもが国語の授業で習ったであろうこの文章は、日本でいちばん古い“エッセイ”である吉田兼好の『徒然草』。

 6月に今年の上半期『オリコン“本”ランキング』が発表されたが、その中でも注目すべきは、29万部を売り上げた星野源のエッセイ『いのちの車窓から』(KADOKAWA刊)。

《'15年12月6日にお店が開店してから、まだ1年半に満たないですが、体感としては、今まででいちばん売れ行きがいいように感じています!》

 今年4月に取材した際、三省堂書店・池袋本店の担当者は、本誌の取材にうれしそうに語っていた。

「星野源さんが出版した本はこれで6作目。彼が書くエッセイは軒並みヒットを重ねていて、タレント本だけに絞った今年のランキングには、'14年に発売された『蘇る変態』(マガジンハウス)も入っており、累計10万部以上を売り上げています」(スポーツ紙記者)

 そんな星野のエッセイの魅力について、雑誌やマンガの編集者を経て、インタビューや書評を中心に執筆を行う成田全さんは、こう分析する。

「芸能人のエッセイ本は、ふだんからあまり本を読んでいない人でも、書店で“あ、知っている顔かも”と手をのばしやすいのが売れるひとつの要素かもしれません。星野さんは特に、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)でブレイクしたことが大きく影響しているでしょうね」

 また、NHKのコントバラエティー番組『LIFE!』にも出演していたが、これもベストセラーの一因という。

「書いている人がどういう人かを思い浮かべやすかったり、登場人物も芸能人なので、読んでいてキャラクターがつかみやすいんです。バラエティー番組に出演している人の本は、親しみやすさもあるんですよ」(成田さん)