今年で149回目を迎えた米G1ケンタッキーダービー(3歳、ダート10ハロン)が現地6日にチャーチルダウンズ競馬場で行われ、後方3番手で向正面に入った4番人気のメイジが先団に取りついて直線に突入すると、好位から先に抜け出す9番人気トゥーフィルズを最後の1ハロンで捕らえて栄冠を手にした(1馬身差)。

 向正面で勝ち馬と並走していた1番人気のエンジェルオブエンパイアがさらに1/2馬身差の3着に続き、2番人気のタピットトライスは最後方から7着まで。日本のデルマソトガケ(3番人気)は発馬で後手を踏むも、後方勢が台頭する展開に乗り6着でゴール。6番人気のマンダリンヒーローは道中でデルマソトガケと並走も12着に終わった。

 7番人気のヴェリファイングと5番人気のキングズバーンズが先行争いを演じ、半マイルを45秒73のハイペースで通過。メイジはスタート直後に前方をカットされて後方からとなるも、J.カステリャーノ騎手がすぐに内ラチに寄せてロスを防ぐと、向正面ではラチから離れ、その内にエンジェルオブエンパイアが入った。

 前方ではヴェリファイングが第3コーナー、キングズバーンズが最終コーナーで後続に飲み込まれ、それらをかわしたトゥーフィルズが先頭で直線に入る。一方、メイジは第3コーナーで馬群の中を進出しながら内のエンジェルオブエンパイアを封じ、最終コーナーでは外へスムーズに先んじる。直線ではトゥーフィルズを目標にスパートし、粘る相手を最後の1ハロンでねじ伏せた。

 メイジは年明けの1月28日にデビュー勝ちしたばかりで、その後はG2ファウンテンオブユースステークス、G1フロリダダービーで2歳王者フォルテに完敗。しかし、天敵がレース当日に出走を取り消したことで運が開け、初の重賞制覇が最高の栄誉となった。かつて、年明けデビューの馬はダービーを勝てないとされる「アポロの呪い」というジンクスがあったが、2018年に無敗の三冠を達成したジャスティファイが136年ぶりに打破。4戦目でのダービー制覇もジャスティファイに続いた。

 なお、6着に終わったデルマソトガケだが、日本調教馬としては2019年のマスターフェンサーに並ぶ史上最高着順でのゴールとなった。

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