英1000ギニーが行われた現地7日のニューマーケット競馬場でめずらしいアクシデントが発生した。ゲート入りの際に馬を落ち着かせるために使用する目隠し用のフードが、発馬の際に騎手の視界を奪う事態を引き起こした。

 3歳牝馬によるリステッドのプリティポリーステークス(芝10ハロン)で、5番枠のスモウサムがフードを使用。騎乗するK.ストット騎手が発走直前にフードを取って投げ捨てたところ、ゲートが開くタイミングで6番枠のフローティングスピリットに騎乗するR.ムーア騎手の顔を覆う格好になった。

 ムーア騎手はすぐにはぎ取って事なきを得たが、目隠しされたまま数完歩を走らされる状態になった。先行したスモウサムは2着、フローティングスピリットは後方から8着に沈み、4番人気で並んだ両馬の結果も明暗を分ける結果となっている。

 フローティングスピリットは前日に2000ギニーを制したシャルディーンと同じくジャドモントの所有でA.ボールディング調教師が管理。この一戦まで中団より前からレースをしてデビュー2連勝していたが、後方からとなったこの日は勝ち馬から30馬身近く離されてのゴールとなった。

 その勝ち馬はJ&T.ゴスデン厩舎のランニングライオン(2番人気)で、1世代を残して早世した貴重なロアリングライオン産駒。これでデビュー2戦目から4連勝とし、英競馬メディア『racingpost.com』によると、大手ブックメーカーの『パディパワー』が前売りオッズを17倍から7倍へ大幅にカットするなど、英オークス戦線に大きく浮上した。

 しかし、父も管理したJ.ゴスデン師は「ロアリングライオンはダンテ(ステークス)を圧勝して英ダービーへ行った。エプソムでは最後の1ハロンまで手応えがあったが、1マイル1/2(12ハロン)はもたなかったから、この牝馬に関してはディアヌ賞(仏オークス)がより良いのか、あるいは英オークスか、非常に興味深いところだね」と、今後に関しては一考としている。

 なお、2014年の英オークスを制したゴスデン厩舎のタグルーダも、その前走でプリティポリーSを制している。