第91回都市対抗野球大会は11月22日(日)に開幕を迎え、23日は1回戦3試合が開催される。今大会は「特定シード」のような仕組みがなく、純粋に抽選の妙で生まれた組み合わせだが、晴れの祭日に好カードが3つ揃った。

10時開始予定の第1試合はHonda鈴鹿(鈴鹿市)と日本生命(大阪市)の対戦だ。

Honda鈴鹿(鈴鹿市)の先発は入社2年目の右スリークォーター井村勇介だろう。腕を畳んで隠す変則フォームには威圧感があり、「数字以上」の迫力がある。天理大学から入社した新人右腕・八木玲於は東海2次予選で最速154キロを計測している豪腕。都市対抗でも抑えで登場するだろう。

打線も日大第三高校時代に選手権制覇の実績がある畔上翔と金子凌也、強打の1番打者・松本桃太郎など実績のある選手が多い。國學院大学出身の新人・貞光広登は予選では3番・ショートで起用され、3割台の打率を記録した。また、西濃運輸から補強された本格派右腕・堀田晃、前田滉平、伊礼翼も大きな助けとなるだろう。

日本生命(大阪府)出場61回の超名門。今大会は近畿2次予選で苦しみ、第5代表としての出場だが、戦力はトップクラスだ。エースは、やはり藤井貴之で、3年目の本格派左腕・高橋拓巳も復調し万全だ。また、ベテラン右腕・阿部翔太は、28歳ながら10月のドラフト会議でオリックスの6位指名を受けている。

野手陣は皆川仁、原田拓実と侍ジャパン社会人代表の選手歴のある選手が複数いる。廣本拓也は昨年、社会人の公式戦で最高打率を残している打者だ。ショート伊藤ヴィットルの強肩を生かした守備も要注目だ。

14時開始予定の第2試合は東芝(川崎市)とNTT西日本(大阪市)の対戦だ。

東芝(川崎市)は激戦の西関東地区から12年連続の出場を果たしている強豪だ。エース格は28歳の左腕・福本翼。速球の球速は130キロ台で、フォームも腕を緩めずに振る「アーム式」だが、コースを突いて打たせて取る投球術は絶品だ。近藤凌太は187センチの大型右腕で最速150キロ。リリーフで重要な役割を果たすだろう。

野手陣は主将の松本幸一郎、佐藤旭ら侍ジャパン社会人選抜の経験者が複数いる。補強選手には三菱パワーから左腕・三小田章人と内野手・久保皓史、内野手・二橋大地の3名が加わった。二橋は盛岡大学附属高校3年の岩手県大会決勝で、大谷翔平から本塁打を放った強打者としても知られている。

NTT西日本(大阪市)は今年の春に中井諒選手の死去という悲しい出来事があった。近畿2次予選では選手たちが骨肉腫で早世したチームメイトを偲ぶ喪章をつけ、ベンチに「背番号6」のユニフォームを掲げて戦った。近畿第1代表として、出場権を得ている。

入社2年目の大江克哉はドラフト候補としても名の挙がった右腕で、最速151キロの本格派。入社9年目の右腕・浜崎浩太も近畿2次予選で好投を見せた。さらに三菱重工神戸・高砂の左腕・森翔平が補強され、左右のバランスも良くなっている。

普段は三菱重工神戸・高砂で、守安玲緒とバッテリーを組む森山誠捕手も補強選手に入っている。NTT西日本には2年目の正捕手・辻本勇樹がおり、予選でも打率.467を記録している。どのような併用になるのか注目したい。

18時開始予定の第3試合はENEOS(横浜市)と東邦ガス(名古屋市)の対戦だ。

ENEOS(横浜市)は都市対抗通算100勝まで「あと1勝」で、史上最多の優勝11回を誇る名門。直近の4大会は西関東予選で敗れていたが、今季は大久保秀昭監督が慶應義塾大学から復帰し、第1代表の座を掴み取った。

藤井聖は楽天の3位指名を受けた大卒2年目の左腕。最速150キロの本格派で、今大会指折りの投手だ。リリーフにも柏原史陽、江口昌大、大場遼太郎ら本格派右腕が揃う。そこに三菱パワーのエース大野亨輔、巨人の4位指名を受けた本格派・伊藤優輔が補強されており、投手陣は万全の体制だ。

打線は中軸に一塁手・山崎錬、捕手・柏木秀文、外野手・岡部通織と30歳前後の実力者が揃う。サード篠原涼は筑波大学から入社した新人だが、レギュラーとして起用されている。U-18、U18ワールドカップ、大学日本代表で主将を務めた未来のリーダー候補だ。

東邦ガス(名古屋市)は辻本宙夢、水田裕の両右腕が主戦。辻本は大卒新人だった昨季からフル回転を見せている。140キロ代後半も計測する球威もあるが、「動くボール」で打たせて取る技巧派だ。水田は35歳のベテランで、東海2次予選では3試合に登板して防御率1.93と好投している。

打線は1番打者の外野手・大島啓太が大島洋平(中日ドラゴンズ)を兄に持つ。飯田裕太は163センチの小兵で、2番セカンドとして渋い働きを見せるが、東京大野球部出身。捕手でチームの副主将も任される柴田圭輝は元SKE48でフリーアナウンサーの柴田阿弥さんを姉に持つ。

水本弦は4年目の外野手で、大阪桐蔭高校の主将として春夏連覇を達成。亜細亜大学でも主将を務めた。本来は左投げだが「両投左打」で登録される変わり種でもある。

文:大島和人