シーズン前に前田健太(ドジャース)が今季の目標として挙げていた「イニング数増」は難しくなってきた。

昨季はチームトップの175.2回をこなしながらも、32先発で7回以上を投げたのは2度だけで、6回未満での降板が19度。

指摘されていた試合終盤でのスタミナ不足改善とともに、日本では4度クリアしていた200イニングス超えも視野に入れて望んだ2年目のシーズンだった。

ところが今季は、前半戦の14先発と2救援を合わせて78回にしか達しておらず、昨季前半戦終了時点での103.2回と比べると大幅に数字を落としている。

これはスタミナの多寡以前に、試合の序盤から打ち込まれることが多かったのが主な原因で、39失点のうち25点を1〜3 回に失った。

特に初回は被打率.316、4被本塁打、被OPS.999と、実質で最も悪い数字だ(登板機会の少ない8・9回は除く)。

そのため今季は、イニングが深まるごとに投球結果が良くなる傾向にあるという、昨季からの逆転現象が生じている。

たまたまかもしれないが、想定よりも短いイニングしか消化していないため体力が余り、副次的に昨年の課題のひとつが改善されようとしているのかもしれない。

そうであるならば、昨季は前半戦の防御率2.95に対して後半戦は4.25と減速しただけに、今季は前半戦で消耗していない点は、後半戦での巻き返し、そしてポストシーズンでの雪辱に向けては、前向きに考えてもいい要素ではないか。

もちろん、新たに抱えた課題は先発投手として致命的だ。デーブ・ロバーツ監督は、前田が長いイニングを意識するあまり、目の前のイニングに集中し切れていないように映ると語っている。

その点、6月に2度あった救援登板時は、水を得た魚のように生き生きとしていた。