移籍市場を見ていると、だいたい毎年1人か2人くらいは、よくわからない移籍をする選手が出てくるものである。ファンから恨まれ、後ろ指を指されながら、移籍先のクラブで英雄同然の歓迎をされる。それは見慣れたことだ。

ただ、そういった移籍をする選手が同じマーケットの間に、同じクラブから2人も出るのは見慣れない。ユヴェンティーノの心中は察するに余りあるもので、リーグ6連覇中の絶対王者は、なんだかよくわからないうちに窮地に立たされてしまった。

幸い、彼らには直接報復を果たすチャンスが訪れる。「爆買い」に攫われた元ディフェンスリーダーには、サン・シーロで思う存分ゴールをプレゼントすればいい。そしてもう1人、フランスに行ってしまった裏切り者とは、アメリカの地で相見えることになった。

シーズン中から火種は燻っていた。その元来の明るさ故に、落ち着いたチームの雰囲気になかなか馴染めず、果敢すぎる攻め上がりが逆に危機を招いたことも少なくない。シーズン終盤にはようやくフィットし、チームのチャンピオンズリーグ決勝進出に貢献したが、心の奥底では文化の違いに相当フラストレーションを溜めていたのだろう。