ICC開幕を目前に控えた7月19日、チェルシーはアントニオ・コンテ監督との契約更新をようやく発表した。当初は暇なメディアによって無理やり作り出されたように思えた「コンテvsフロント陣」の対立だったが、あれよあれよという間に事態は進展していき、遂には契約延長との報がビッグニュースとして取り扱われるまでになってしまった。

昨シーズンのチェルシーほど、「磐石」という言葉が似合うチームはそれほどなかったはずだ。序盤こそ少々躓いたものの、それは結果的に怪我の功名となり、ユヴェントス時代に採用していた3バックを持ち込むと成績は一変。プレミアリーグ制圧までにさほど時間はかからず、有無を言わさぬ強さでライバルたちを黙らせた。

しかし5月、いつまでたっても我流を貫くFWディエゴ・コスタの反乱から、コンテとチェルシーの信頼関係にヒビが入り始めた。当人たちの否定も空しく、「コスタの扱いで揉めている」、「思うように進まない補強にコンテ側が腹を立てている」等の記事が連日出されるようになり、コンテは志半ばでチェルシーを去るのではないかとの報道が過熱したのである。

時を同じくして、指揮官の母国イタリアからコンテの動静に関心を寄せるクラブが現れた。5月にステファノ・ピオリ監督を諦め、シーズン2度目の監督解任を決断したインテルのオーナー、蘇寧グループは、タイトル獲得の経験が豊富なビッグネームの招聘を強く望んでいたという。そのトップターゲットがアントニオ・コンテだったというわけだ。