第88回都市対抗野球大会は、NTT東日本(東京都)の優勝で幕を閉じた。25日の決勝戦は3万2千人の大観衆が集まり、東京ドームのスタンドはオレンジ色(両チームのカラー)で染まっていた。

内野、外野から最上段の席までが総立ちになって応援に参加する光景は、プロや学生野球でも見られない壮観だった。

NTT東日本はホームラン4本の一発攻勢で決勝戦をモノにしている。1点を先制された2回表の攻撃で、5番・越前一樹がソロ本塁打。3回には9番・伊藤亮太、5回には7番・加藤孝紀がソロ本塁打で続く。

大きかったのは4-4の同点で迎えた7回、下川知弥が放った3ラン本塁打。飯塚智広監督が試合後に、「普段打たない選手が一杯打ちました」と述べたように、決勝戦の熱狂の中で伏兵がいつも以上のパワーを出したのかもしれない。

投手陣は、先発の大竹飛鳥が3回途中で降板したものの、鷺宮製作所から補強された左腕・野口亮太と2年目の右腕・渡邉啓太がいずれも自責点0の好リリーフ。

本大会で大活躍のベテラン・末永彰吾の出番を待たず、3人の継投で逃げ切っている。9回のダメ押し点も奏功して、最終的には10-4の大差で日本通運(さいたま市)を下した。

今大会の首位打者賞、橋戸賞(大会MVP)のダブルタイトルに輝いたのが2番ショートの福田周平。

準決勝、決勝は1安打ずつで打率を落としたものの、決勝戦も9回一死2,3塁からの左犠飛でチームの10得点目を挙げている。5試合で20打数11安打という驚異的な活躍だった。

橋戸賞は5大会連続で投手が獲得しており、福田の受賞は第82回大会の松本晃(JR東日本)以来の快挙だった。

福田は広陵高、明治大とアマ球界のエリートコースで活躍し、社会人3年目を迎えている。

169センチという体格もあって、ここまでドラフトとは縁がなく、また「橋戸賞選手はプロ入りをしない」というジンクスもある、しかし、彼はプロが少なくとも「欲しがる」存在だろう。