8月12日マツダスタジアムで、薮田和樹投手がプロ初完投初完封を達成。

奇しくもその相手は、カープ入団初年度の2015年7月1日東京ドームで、プロ初登板、初先発、初勝利を挙げていた巨人でした。

今やトレードマークにもなった自身の出囃子曲、ダース・ベイダーマーチのファンファーレが高らかに鳴り響く中でマウンドに上がり、終始、巨人打線をマウンドから見下ろし投げ続けた119球は圧巻のひと言。

「苦しい展開になると思っていたので、何とかゼロで繋いで行けて良かったです」。

この日は、黒田博樹さんが久しぶりにマツダスタジアムを訪れ、ゲスト解説をした試合でした。

その黒田さんが見守る試合で薮田投手が、巨人相手にプロ初完投どころか、堂々シャットアウトして挙げた初完封勝利には大きな感慨をおぼえます。

レジェンドが引退して以降、そのイズムを継承するひとりである薮田投手。そのことは、ヒーローインタビューで語った薮田投手のこの言葉に現れていました。

「自分が投げる試合は特になんですけど、中継ぎ陣に沢山、負担と迷惑を掛けていたので、何とか最後まで投げ切れて本当に良かったです!」。

これで11勝となった若きチームの勝ち頭は、自身の初完投よりも、連投続きだった中継ぎ陣を休ますことを考えて投げていたのです。

黒田さんもそうでした。昨季、疲弊していた中継ぎ陣を守るため、満身創痍の体だったにもかかわらず、続投を志願した姿は、今でもカープファンの脳裏に焼き付いています。

あの黒田博樹のイズムは、今、薮田和樹にしっかりと継承されていたのです。そして今回の先発は、チームの連敗を止める大事なマウンドでした。

「本当に、今日は何としても勝ちたかったです!!」。そう語った右腕の氣魄は最後の1球まで途切れることはありませんでした。