2017年7月24日、第99回全国高校野球選手権長野大会の決勝が長野オリンピックスタジアムで行われた。松商学園が5-4で佐久長聖に勝ち、優勝を決めた。

松商学園の地元である松本市の井上百貨店本店では、正面入り口付近にテレビを設置して試合を放映していたが、松商学園の優勝が決まると、外壁に「祝 松商学園甲子園出場」との懸垂幕を掲示した。また訪れた買い物客に、「紅白まんじゅう」150箱を配ったという。

甲子園優勝ならともかくも、甲子園出場で「紅白まんじゅう」とはなかなか......、そう感じたJタウンネット編集部は、松本に電話して話を聞いてみることにした。

20年・30年も前から、もっと前からの慣例!?


電話で答えてくれたのは、井上百貨店本店宣伝企画課長の深草智明さんだった。

「松本地区の高校が長野大会を勝ち抜いて甲子園出場を決めると、こうやって紅白まんじゅうでお祝いをするのが慣例となっています」と深草さん。「私は入社20年以上経ちますが、ずっとそうでした。おそらくその前、20年・30年も前からそうだったのではないでしょうか。地域の方もよくご存じのようです」。

松商学園といえば強豪校として有名だ。今回、9年ぶり36度目の出場である。とくに戦前の旧松本商業時代は、甲子園の常連として知られ、1928年には全国制覇も成し遂げている。

一方、井上百貨店も1885年創業であり、信州・松本を地盤とする老舗百貨店だ。甲子園出場を紅白まんじゅうでお祝いするというしきたりも、両者の長い歴史の中から生まれたのかもしれない。

「松商学園に限ったわけではありません。2010年には松本工業が甲子園に出場しましたが、そのときも同様にお祝いしました」と深草さんは語る。「ただし、他の競技ではあまり例がありませんね。サッカーも盛んなのですが......。やはり野球の甲子園出場は、特別のようです」。

ところで、甲子園でどんどん勝ち進むと、どうするつもりなのか?と、聞いてみた。

「1回戦に勝てば、また紅白まんじゅうを配ります」と、深草さんは言い切った。「勝つたびに、紅白まんじゅうを配って、お祝いする予定です」。なんとも心強い、寛大なお言葉であろうか。これも創業100年以上という伝統の力なのだろうか。