9月に入ったとはいえ、まだまだ真夏のような暑さが続いている。だが登山が好きな人には、むしろ絶好の季節だ。下界では気温35度近くでも、2000メートルを超える山の上ではヒンヤリ涼しい、というか、むしろ寒いくらいだろう。

八ヶ岳連峰は、長野県から山梨県にまたがる大きな山塊だ。この八ケ岳に掲示された1枚の貼り紙が、いまツイッターなどで話題となっている。

これが話題の貼り紙だ(画像提供:八ケ岳観光協会)

写真は、「熊の目撃情報ありました。ご注意ください」と注意を呼びかける貼り紙で、八ケ岳観光協会が2019年6月22日に掲示したものだ。それによると、硫黄岳山頂で目撃された熊は、西から東に走り抜けて爆裂火口跡側に転落したという。

ツイッターには、「クマの安否が心配です」といった声が寄せられている。

この貼り紙は、いったいどんな状況で掲示されたのだろうか。Jタウンネット編集部は、八ケ岳観光協会に取材した。

「それ以来、熊の姿を見ていません」

硫黄岳の爆裂火口(Mass Ave 975さん撮影、Wikimedia Commonsより)

電話で答えてくれたのは、八ケ岳観光協会の担当者だ。

「熊の目撃者というのは、実は私です」と担当者は語ってくれた。

「カモシカを熊と見間違えることはときどきあることですが、あれは間違いなく熊でした。熊は移動中だったと思います。勢いよく走っていて、そして爆裂火口跡に転落しました」(担当者)

貼り紙は、山小屋や登山口などに掲示して、注意を呼びかけたそうだ。八ケ岳で熊をみかけることは珍しいことだという。だが、けっして油断をしてはいけない、そのための「注意喚起」ということだ。

「それ以来、熊の姿を見ていません。絶壁ですからね。かわいそう、といえば、かわいそうかもしれませんね」

と担当者。熊の目撃からもう2か月以上経過したが、熊は出没していないという。

また爆裂火口跡は、野生動物ですら転落するほどの危険な場所だ。

火口の手前数メートルにグリーンのロープが張られている。日本語と英語で注意を呼びかける看板もあるという。担当者は「登山者はすぐに気付くはずですし、十分気を付けていただいていると思いますよ」と話している。