シラサギが羽ばたくような優美な姿から「白鷺城」とも呼ばれる姫路城(兵庫県姫路市)は、国宝であり、世界文化遺産でもある。

この姫路城の中に設置された、ある掲示がいま注目を集めている。2020年8月2日に投稿された、次のような写真付きのツイートが、そのきっかけだ、

姫路城のソーシャルディスタンシング確保は一触即発 pic.twitter.com/TRBtxWZmdq
- 黒織部 (@kurooribe) August 2, 2020

「間合いをとる」というフレーズを挟んで、刀を腰に下げた2人の武士が向かい合っている。まるで、居合の試合のような雰囲気である。

「Keep a safe distannce from others」という英文も配置されている。さらに2人の足元には、「人との距離をあけて、感染拡大防止にご協力ください」という文章も......。

どうやらこの掲示は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、他の人との距離を確保することを来城者に促すものらしい。

もう耳にタコができるほど聞いた「ソーシャル・ディスタンス」「ソーシャル・ディスタンシング」という言葉は使われていないが、場所に合っていて説得力がある。

それに、姫路城の中を「間合いをとる」ことを意識しながら歩くというのは、江戸時代にタイムスリップしたような気分になって楽しそうでもある。

「姫路城のソーシャルディスタンシング確保は一触即発」というコメントが添えられたコのツイートには、10万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中(8月4日夕現在)。

「確かに。上手いなぁ。一本取られました」
「外国の人にも気に入ってもらえそう」
「そう考えるとソーシャルディスタンスは平和の象徴ですね」

などと話題になっている。そのほか、「一瞬でも見誤ったらバッサリですやん」「間合いに入ったらスパッとするのね」などと冗談めかして反応するユーザーも。

「写真を撮っていかれるお客様が増えました」

黒織部(@kurooribe)さんのツイートより

Jタウンネット編集部が、姫路城を今回初めて訪れたという黒織部さんに、「間合いをとる」掲示について聞くと、

「あの掲示は大天守の中に掲示してありました。目を引く、わかりやすくておもしろい注意喚起だなと思いました」

との答え。話題になったことについては、「ここまで反応があるとは思わず、驚きました」とした。

Jタウンネット編集部は電話で、姫路城管理事務所にも聞いてみた。

担当者によると、「間合いをとる」の掲示は6月中旬に始めたものだという。

「あの掲示は、大天守など建物内などの公開再開に合わせて、設置されたものです。『間合いをとる』といった文章も、デザインも、管理事務所の職員が手作りで作りました。
現在、大天守など建物内に約10枚設置されています」

ツイッターで大変な反響があったが、来城者に何か影響があったか聞いてみると

「そういえば、『間合いをとる』掲示を見て、写真を撮っていかれるお客様が増えましたね。ありがたいことだと思いますが......」

と担当者は笑いながら答えた。

姫路城(Gilles Desjardinsさん撮影、Wikimedia Commonsより)

この掲示以外にも、姫路城ではいくつかの感染防止策が行われているという。担当者はこう説明した。

「姫路城では、入場の際に、サーモグラフィーによる体温チェック行っております。また非接触型体温計による検温も実施しています。またマスク着用もお願いしております。
城内各所に消毒液を設置し、手指消毒をおすすめしております。とくに階段の上り下りで手すりに触れる場所には、消毒液が多く設置されています。
城内が密にならないように、人数制限をする場合もあります。『間合いをとる』掲示のように、ソーシャルディスタンスを守っていただけるようお声がけもさせていただいております」