コロナ禍で、今まで以上にAmazonのお世話になるようになった人は少なくないだろう。

家から一歩も出なくても、たいていのものはゲットできる。それもこれも、Amazonで働いている人がいればこそ。

そして、Amazonで働いているのは、実は人間だけではない。

岐阜県・多治見フルフィルメントセンターに出勤するヤギさんたち(写真はアマゾンジャパン提供)

これは、アマゾン・ドット・コムの日本法人アマゾンジャパンの公式ツイッターが2021年9月9日に投稿した写真である。

写真とともに呟かれているのは、こんなコメント。

「岐阜県 多治見フルフィルメントセンターにはヤギの同僚がいます」
(編注:多治見フルフィルメントセンターとは、アマゾン独自の配送センター。以下、「多治見FC」)

写真を見る限り、ヤギたちはのんびり草むらを歩き回っている様子。

彼らはいったい何の仕事をしているのだろうか。

Jタウンネット記者は21日、アマゾンジャパンを取材した。

当日に出勤を嫌がるヤギも...

実は、ヤギたちが行っているのは「エコ除草」。

多治見FC(岐阜県多治見市)の敷地のうち、約3500平方メートルの範囲の草を食べて除草してくれるのだ。

農業生産法人・有限会社FRUSIC(同・高山市)の協力の下、2013年に導入され、20年には新型コロナの影響で「出勤停止」となったものの、21年6月から再開されている。

出勤日は、毎週火曜。人間の従業員と同じように、ヤギたちの働く時間は決められているという。

もぐもぐもぐ(写真はプレスリリースより)

アマゾンジャパンの広報担当者によると、13年の導入当初は、約20頭のヤギたちが車に乗って出勤してきていた。現在はそれが、15頭ほどに。

......というのも、これは彼らが大きくなったからだそう。ヤギたちを乗せてやってくる車に、乗りきれなくなったらしい。

「しかし当日に出勤したくないヤギさんもいるようで、自発的に車に乗る頭数により前後します」(広報担当者)

とのこと。

敷地内で除草を行うのは、自発的に出勤したやる気あふれるヤギたちというわけだ。

ちなみに、ヤギたちの中には13年から出勤しているベテランもいれば、新人(新ヤギ?)もいるらしい。

広報担当者「ヤギさんによる『癒し』は大きなメリット」

高いところもまかせて!(写真はアマゾンジャパン提供)

しかし、単に草を刈るだけなら機械でいいのではないだろうか。気分によって車に乗ってくれないこともあるのに、わざわざヤギたちに出勤してもらうのはなぜだろう。

広報担当者は、その理由についてこう回答した。

「Amazonの最優先事項はスタッフに働きやすい環境を提供する事です。その一環として、ヤギさんによる『癒し』は大きなメリットのひとつです。また、機械よりも草の根深い部分まで食べてくれる、刈った草が残らないなどのメリットもあります」
「さらにAmazonは環境保護の活動にも力を入れており、『ヤギ除草』は、自然環境に配慮した施設整備です。Amazonでは今後も、スタッフが働きやすい環境づくりに取り組んでいくとともに、環境に配慮した活動を推進してまいります」

実際、従業員たちから「ヤギがかわいくて癒やされる」という声も多く上がっているそうだ。

たしかに癒やされそう(写真はプレスリリースより)

また、ヤギたちを一貫して「ヤギさん」と呼ぶ広報担当者からも、ともに働く仲間へのリスペクトが感じられた。

アマゾンに限らず、動物たちが出勤する職場がもっと増えたら、従業員たちの働きやすさも向上するのではないだろうか。