大きさや形、色などが市場で定められた規格から外れてしまった「規格外野菜」。ジュースやカット野菜として加工されるケースもあるが、廃棄処分されてしまうものも少なくない。

消費者からすると「捨てるくらいなら無料で分けてほしい」と思ってしまう。しかし、そう簡単にはいかないらしい。ツイッター上でとあるナス農家が訴えた「規格外野菜の実情」が注目を集めている。

ナス男(@nasuo_nouka)さんのツイートより(以下同)

投稿したのは、愛知県でハウスナス栽培を行うナス男(@nasuo_nouka)さん。ナス男さんはナス栽培の傍ら自身で「就農成り上がりブログ」を運営し、日々農家のリアルを伝えている。そんなナス男さんが2021年9月24日、

「消費者が知らない、規格外野菜の実情」

とのコメントを添えて4コマ漫画(作画:えぴこ(@epico428)さん)を投稿した。ツイートは10月2日夜時点2万9000件のいいねが付くほど、反響を呼んでいる。

出荷できない規格外野菜の実情とは、一体どんなものなのだろうか。

「捨てるくらいならもらってやる!」

「まだ食べられるだろ!?タダで配れ!」
「捨てるくらいならもらってやる!」

廃棄されてしまう規格外野菜について「NO廃棄」と声を上げている消費者。農家としては言いたいことをグッと飲み込んで耐え忍ぶしかない。

すると、一人の男性農家が現れ、本音を伝える。

「傷や腐りは輸送中にダメになってしまうんです。それに規格外がたくさん出回れば、正規品の価値も落ちてしまいます」

規格外野菜の扱いの難しさを指摘し、正規の野菜の価値について言及した。そして、

「ぜひ正規品の野菜を買って、農家を応援してください」

と、頭を下げて消費者に懇願。その話に消費者は苦々しい表情を見せて、渋々納得したようだ。

「捨てるというより、畑に還して肥やしにするという考えなんです」

「規格は『農家を守るため』に存在すると考えています」

自身が運営するブログ記事で、野菜の規格にについてそう言及するナス男さん。ブログによれば、規格があることによって「クレームから農家を守る」ことや「産地のイメージを守る」「栽培管理の目安になる」ことなどにつながるのだという。

もし、値段の安い規格外野菜が市場に多く出回ってしまったら、正規の野菜も規格外野菜の値段に引っ張られてしまい、正規の野菜を多く出荷している農家ほど損をしてしまうことになる。そうした農家の実情を知ってもらうべく、今回の漫画を制作・投稿した。

「(規格外野菜は)捨てるというより、畑に還して肥やしにするという考えなんです。有機物を畑に還せば、微生物によって分解されますし、土作りにもなりますから」(ナス男さんのブログより)

Jタウンネット記者が30日、ナス男さんに投稿が話題になったことに対しての率直な感想を聞いたところ、

「普段関わりのない消費者の方にまで届いたんだという実感はありましたし、消費者に農業を分かりやすく伝える内容が、僕には求められているのかなとも思いました」

とのこと。今後も自身が向き合っている農家の実情を、消費者向けにわかりやすく発信する意向だ。

ニュースなどで規格外野菜について言及される時があったら、ぜひこちらの漫画を思い出し、農家の実情に思いを馳せてほしい。