2022年4月25日、次のようなポスターの画像がツイッターに投稿され、いま話題になっている。

「おや、なんて書いてあるの? 読めない!」とあわてる読者もいるかもしれないので、先に言っておこう。どうか落ち着いて、左からお読みいただきたい。

「おかか@学芸員志望 」(@lililllli45)さんのツイートより

ポスターに書かれているのは、こんなキャッチコピーだ。

「恐るべし ハヤリカゼ のバイキン!」
「マスクをかけぬ命知らず!」

さらにポスターの右下には、次のような説明もあった。

「出典:国立保健医療科学院図書館所蔵
内務省衛生局著 流行性感冒 1922.3 」

なんと100年前、1922年につくられたポスターらしい。スペイン風邪が流行した頃、当時の内務省が制作したものだろうか。

ツイッターユーザーの「おかか@学芸員志望」(@lililllli45)さんは写真に、「すごいな。地方の博物館なんだけど、企画展がかなり凝ってて面白かった」と呟きを添えている。投稿は4000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中(4月28日現在)。

「黒マスクが流行ってたんだろうか? やはり時代は繰り返されるんだ」などといった声も寄せられている。

いったいどこの博物館なんだろう?ほかにはどんな展示をしているのだろうか? 

興味をそそられたJタウンネット記者は、投稿者「おかか」さんに聞いてみた。

「半年ほどで打ち切る予定だったのですが...」

「汽車電車人の中ではマスクせよ 外出の後はウガヒ忘るな」(画像はおかかさんのツイートより)

おかかさんは4月16日、宮城県登米市の教育資料館に展示されていたポスターを撮影したのだという。その時の印象について、こう語った。

「センスの良い学芸員さんいるんだなーって感じました。歴史は古い学問ですが、史料の解釈によって、新説が生まれたりする学問です。地方の博物館でもこんなに光る展示ができるのだと感じました」
「コロナ禍でみんな不安な日々を送っていて、暗中模索なのかなって思うんです。でも、人が暮らしていく中で歴史から学び取れること。どう乗り越えたのか知るきっかけになればいいかなーって思いました」(「おかか@学芸員志望」さん)

また、「地方の博物館でも、このように社会教育に向けた取り組みをしていて、感銘を受けました。......学芸員の目線ですごいなーってなりました」と話した。

次にJタウンネット記者は、宮城県登米市教育資料館を運営する「とよま振興公社」に電話取材することに。応じてくれたのは、「とよま振興公社」学芸員の鎌田智之さんだった。

「テバナシ」に「セキ」をされては堪らない(画像はおかかさんのツイートより)

登米市の教育資料館では、2020年秋から、『学校日誌から見るスペイン風邪』という企画展を開催している。これは、旧登米尋常高等小の日誌と合わせて、当時の新聞記事・予防啓発のポスターなど、約40点の資料を展示したものだ。

例えば1918年11月1日の日誌には、『悪性流行感冒調査 登米警察署員が来校』と書かれ、児童1231人のうち88人が感染したと記されている。そして翌2日の日誌からは、感染者が140人に増えたため、感染防止のため学校閉鎖が行われたことが分かるという。

「当時の状況を調べると、今にも通じるものがいろいろあると感じます」
「マスクや、せきエチケットを奨励するなどの予防対策は、昔も大変だったようですね」(鎌田智之学芸員)

「当初は、半年ほどで打ち切る予定だったのですが、新型コロナ感染状況の終息がなかなか見えないため、結局打ち切ることができず、今も開催しています」と、鎌田さんは苦笑する。

100年前のスペイン風邪流行時の記録から、何か抜け出すヒントが見つかれば幸いなのだが......。