「後を引き継いで下さる方を募集してます」

ツイッターでこんな呼びかけをしているユーザーがいる。

一体、何の後を継いでほしいのかというと......。

喫茶レストランパール(画像は店主の娘のツイートより)

それは、長崎県中央部・諫早(いさはや)市にある「喫茶レストランパール」。いわゆる、「街の洋食屋さん」と言った雰囲気の飲食店だ。

この店を引き継ぐ人をツイッターで探しているのは、店主の娘。「店を継ぐ」と言うと、親族や同店で修行した人のような、店とつながりがある人に任せることが多いだろう。広く募集をかけて探すとは、なんだか珍しい。

気になったJタウンネット記者は2022年6月8日、店主の娘を取材し、「募集」という方法で後継者を探す理由を聞いた。

「あのお店の雰囲気をそのままに」

「喫茶レストランパール」は現店主が40年以上前に1人で開業。その後、長きにわたって営業してきたが、これからも同じように続けていくことが難しくなったという。

「父の体調が悪くなり、1か月ほどの入院が必要と診断されました。退院後も酸素吸入などが必要と言われ、身体や年齢的にも続けていく事が無理ではないかと判断して、閉店を決めたのです」(店主の娘)

急な決定だったため、店主は現在の状態のまま物件を借りてくれる人を探し始めたという(編注:同店は西諫早地区センター内にある公社賃貸物件に入居するテナント)。

「お店のエアコンも新調して間もないですし、コロナ禍で換気設備も新しく設置しました。常連のお客様から『この雰囲気をそのままにやってくれる人が誰かいないのか』と言われたことも、引き継いでくれる方の募集につながりました」(店主の娘)
喫茶レストランパールの店内の様子(画像は店主の娘のツイートより)

「喫茶レストランパール」の店内を撮影した写真からは、温かな親しみやすい雰囲気が伝わってくる。居心地がよさそうだ。

店内のものは、祖父の形見だという置き時計を除いて、ほぼすべて譲渡することが可能。引き継ぐ人次第ではあるが、「喫茶レストランパール」という屋号も継ぐことができるという。

また、現店主の体調次第ではあるものの、レシピもノートに残そうと試みているとか。

「自分でお店を持ちたい」若い人に、届け

店主の娘は「喫茶レストランパール」への思いを、こう語る。

「この店は父が40年以上前に1人で立ち上げ、そこで母と出会って結婚し、私と妹が産まれました。私は父の料理で育ったと言っても過言ではありません」
「今まで、父のお店に通って頂いた常連さんを始め、沢山のお客様に感謝しています。あのお店の雰囲気をそのままに誰か飲食店をしていただける方を探してます。どなたか素敵な縁があれば良いです」(店主の娘)
喫茶レストランパールの店内の様子(画像は店主の娘のツイートより)

大事な店を譲るからこそ、引き継いでくれる人に求めることもある。

「両親としては、引き継いでもらえる方は、出来るだけ『自分でお店を持ちたい』と思っているやる気がある若い方にお譲りしたいという考えがあるそうです。
母は元気なので、経営など分からない方でも自分が手伝える範囲で教える事もできると言ってました」(店主の娘)

当初、閉店は6月22日の予定だったが、その後も店主の妻だけで出来る範囲の営業を続けて、引き継いでくれる人を待つという。