大小さまざまな島で構成される海洋国家・日本において、有人の「国境の島」が領海、排他的経済水域の保全に果たす役割の大きさは言うまでもない。本土にはない独自の文化や風習をはぐくむ一方で、人口減少などの課題も抱えている。2017年4月に施行された有人国境離島法では、29地域(148島)の「有人国境離島地域」が定められ、その中でも人口減少の著しい15地域(71島)が「特定有人国境離島地域」に指定された。

内閣府の総合海洋政策推進事務局はそんな有人国境離島地域を活性化させるため、7月27日に「日本の国境に行こう!!」プロジェクトを始めた。都内で当日、行われた記者発表会では、松本純・海洋政策担当大臣らが「国境の島」周知へ向けた意気込みを語った。

「国境の島」を体験する旅行企画

松本純・海洋政策担当大臣は2017年7月27日、記者発表会で

「本日より、『国境の島』の29の市町村、8つの都道府県とともに、『日本の国境に行こう!!』プロジェクトをスタートさせる。島の活性化に取り組む関係者の一体感を醸成し、共通の理念の下で島の価値を向上させるさまざまな取り組みを展開していく」

と述べた。以下の「国境の島活性化七箇条」を元に、プロジェクトの推進を図る。

松本純・海洋政策担当大臣(Jタウンネット編集部撮影)

第一条 日本人の島国プライドを呼び覚ます!
第二条 「ヒト」「モノ」「タノシミ」を行き来させる!
第三条 面白いことを真面目にやろう!
第四条 動きながら考える「現場考動主義」!
第五条 「フットワーク」が「ネットワーク」をつくる!
第六条 社会に求められる「サービス」を!
第七条 島の人々が「シアワセ」になる!

「日本の国境に行こう!!」プロジェクトは、3つの柱から成り立っている。有人国境離島法に基づいて地域社会維持推進交付金で(島への)輸送コストを支援したり、(島での)雇用機会を拡充したりする事業支援が、その1つだ。

2つ目は、特定有人国境離島地域を活性化させる具体的なプロジェクト「シンボルプロジェクト」だ。離島の魚を産地名付きで大消費地に届ける仕組みや、活魚車を離島どうしでシェアするネットワーク、国境の島を体験する旅行企画(種子島と対馬、五島福江島を3泊4日で巡る、など)を形成する。

さらには、内閣府の委嘱する9人のプロジェクト推進アドバイザーが、離島の観光プランや、商品開発、販路拡大などの見直しに取りかかる。過疎地や被災地などでの実績を有している「現場に入り、共に汗をかく実務家」が選抜される。

記者発表会では、島根県隠岐郡海士町の山内道雄町長が

「有人国境離島法の成立はあくまで、第1ステージだと思っている。29の島が1つになって、知恵を出し合いながら、法律を実のあるものにしていきたい」

と抱負を述べた。

長崎県五島市の野口市太郎市長も

「我々はきょうから、同じ旗印の下で『国境の島』の活性化に取り組む。ただ、大切な仲間であるがライバルでもある。島の良いところを伸ばし、さらに魅力ある島にしていく」

と話した。