「マフラー」。

この言葉で多くの人がまず思い浮かべるのは、冬、首に巻いて暖をとるあれだろう。

一方、バイクやツーリングを愛する人だったら、車体の排気口を覆うパイプを真っ先にイメージするかもしれない。

実は今、「マフラーを模したマフラー」がツイッターを中心に注目を集めているのだ。つまり、こういうことである。

その名も「YZF-R1Mマフラー」(写真はプレスリリースより。以下同)

これは、バイクの部品・マフラーを模したマフラー。その名も「YZF-R1Mマフラー」である。

四大バイクメーカーのひとつ、ヤマハ発動機(静岡県磐田市)の公式サイト上コンテンツ「あみぐるみ・羊毛フェルト」に、2021年9月30日、第8弾の作品として公開された。YZF-R1Mとは、ヤマハのスーパースポーツバイクである。

その衝撃的なデザインに、ツイッターでは

「ヤマハの狂気を感じた」
「何してんのヤマハ」
「またヤマハが変なことやってるよ〜〜〜〜!!!!!!」

など、ツッコミが続出。

いったいなぜこんなぶっとんだアイテムを公式サイトで......? 

10月5日、Jタウンネット記者はヤマハ発動機に詳しく話を聞くことにした。

毛糸のカラーに込めた想い

オシャレ、なのか?

企画担当者に、「YZF-R1Mマフラー」を思いついたきっかけを尋ねると、

「単なるオヤジギャグです」

と、身も蓋もない答えが返ってきた。

「(バイクの)マフラーを(手編みの)マフラーにするっていうのは、2年前くらいからいつかやりたいと思っていたんです」
「以前、YZF-R1Mのプラモデルを購入して羊毛フェルトの作家さんに送り、車体をモチーフにしたマスクを作ってもらったところ、かなり完成度の高いものが出来上がりまして。
それなら今度は、このYZF-R1Mのマフラー部分を編みぐるみでマフラーにしてもらおうと、同じプラモデルを編みぐるみの作家さんに送り、完成しました」(企画担当者)

作品の制作後、作家さんから返ってきた参考用のプラモデルはボロボロになっていたと言う。きっと隅から隅まで触りながら観察したのだろう。

なお、バイクについている形にすると、こんなかんじ。

パイプ部分は途中から色が違う

細部まで再現されたマフラーは、一般社団法人・日本あみぐるみ協会の監修・協力のもと完成した。企画担当者が特にこだわったのは、パイプ部分の色味だ。

「途中でパイプの色が(赤茶色→こげ茶色→黒に)変わっていくのも作るのが難しいようなのですが、これは本物同様に、マフラーのパイプ部分が焼けて黒くなっているのを表現しているのです」(企画担当者)

バイクのマフラーは金属パイプで排気口を覆うことで、騒音を軽減するサイレンサーの役割を果たしている。このパイプ部分は、常に熱されるため焼け跡がつきやすい。

その微妙な色の変化をも毛糸で再現し、まさにこだわりぬいた編みぐるみなのだ。

巻いてバイクに乗っちゃダメです

サイト上ではつくり方のレシピも紹介されている。

冬、このマフラーを巻いてツーリズムに出かけたら楽しそう......と思いきや、企画担当者に釘を刺された。

「バイクや自転車に乗るときは、この編みぐるみに限らずマフラー類を首に巻いてはいけません」

なんと、公式サイトにも

「あみぐるみ『YZF-R1Mマフラー』はバイク・自転車・車いす・ATV・スノーモビル・ゴルフカー・マリン製品等に乗車される際は着用しないでください。
また除雪機を使用される際も着用しないでください」

と、赤字で注意書きがある。

首に巻いたマフラーが車体のどこかにひっかかり、そのまま首がしまってしまう危険性があるそうだ。

「弊社は二輪車をはじめ除雪機等の機器メーカーですから、この点の注意喚起はしっかり行っていきます」

とのこと。

このユニークなマフラーを巻いてバイクに乗れないのは残念だが......電車通勤で着用しても、きっと一目置かれるだろう。