厚労省が発表した2018年度の有効求人倍率は、過去2番目の高さとなる1.62倍。要するに、現在は求人のほうがたくさんあって人が足りないという状況になっています。

そんななか政府は「就職氷河期」世代に向けて、3年間という集中期間を定めて就業支援に取り組む姿勢であることを明らかにしました。なぜ今、このような対策が必要になってきたのか、労働経済ジャーナリストの小林美希さんに伺いました。

5月27日(月)のオンエア:『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」(ナビゲーター:グローバー/月曜担当ニュースアドバイザー:津田大介)
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■ロスジェネ世代が直面した就職活動の実態

バブル崩壊後の1990年代後半から2000年代前半はたいへんな就職氷河期で、女性だとさらに厳しい思いをした時期でした。

津田:小林さんは現在43歳で、まさにロスジェネの2、3年目ぐらいにあたる就職氷河期世代。就職活動はいかがでしたか。
小林:私たちは大学を卒業したときは2000年で、初の大卒就職率6割を下回ったという、二人にひとりしか就職できない年でした。業種問わず100社ぐらいエントリーして、50社ぐらい面接を受けたんですけれど、けっこう厳しくて。あとから知ると、女性の採用は実はゼロだったという方針がある会社もたくさんあって。私だけでなく最終面接まで行っても内定を取れなかったという方がすごく多かったころでした。

女性ならではの大変さ、苦労もありました。

小林:周りの子も総合職を受けていくんですけれども、蓋を開けてみると、短大卒とかそういった女子は採るけど、四大卒は採らないとかいろんなことがあって。
津田:いわゆる一般職ならいいけど総合職は求めてないってやつですよね。
小林:男子と同じように肩を並べて普通に受けていても、同級生の男子はメガバンクや商社にポンポンと内定が出ている人もいたんですけれども、やっぱり女子は厳しくて内定を取れず。私もご多分にもれず、内定を得られないままかなり苦戦をしていました。


■スキルを積むために…「インターン」という方策

就職氷河期を経て、15年ほど前からは非正規での雇用が増えていきました。このままだと大変なことになると論じている人も多かったものの、手付かずの状態のまま放置されることに。これは「政治の目がそこに向いていなかったからだ」と小林さんは推察します。

小林:もし10年ぐらい前にもっと本腰を入れて支援をおこなっていれば、まったく違うシナリオが今描けたと思うんですけれど、一時しのぎで終わってしまった。当時も委託した企業が潤うようなものでしかなくなってしまい、当事者をきめ細かく支援するようなものがなかった。そのときやっていれば今のような状況にならなかったんじゃないかと本当に思います。

では、具体的にどのような政策がとられるべきだったのか。小林さんはインターンというひとつの方策を挙げています。

小林:非正規が長く続くと、職も点々とせざるを得ないことが多いので、職場できちんと軸で働いて身につけるスキルがなかなか身につかないことが増えてしまう。だから職場で実際に働いてみて、インターンシップのような形で実際に働きながら就職に結びつけるようなものが必要。ちょっと前に、経済産業省がブランクのある女性向けに「主婦インターン」というのをおこなったんですけれど、この場合、企業に負担が行かないように、中小企業で人が欲しいところを発掘して、そこにインターンをマッチングさせました。インターンで働いている主婦には日当が一日数千円もらえる。そうしたことでお互いに躊躇せずにチャレンジしようということができたので、こういったことを就職氷河期世代にも拡充していくと少し変わっていくのではないかと思っています。


■身近なところから声をあげていくことが大切

日本の雇用政策、労働政策がほぼ破綻しているともいえる現在。そんな中で労働者や若い世代はどのように自分の身を守っていくべきなのでしょうか。

小林:たぶん目の前の働いている企業で問題を提起する、声を上げていく、それしかないと思います。その積み重ねで問題の輪が広がっていけばまた世論ができて、少し政治が変わってくる。本当に小さな積み重ねでしかないかなと思います。

正規社員、非正規社員にかかわらず横同士でつながりを持ち、おかしいことはおかしいと声をあげていく。孤独に陥らずに相談できるところに相談していくのがまず一歩だと小林さんは話していました。

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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時−21時
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