20世紀を代表する伝説のジャズピアニストであるチック・コリア氏が79歳で亡くなった。本人のFacebookページによると、チック氏の死因は「ごく最近に見つかった、珍しい型のガン」だという。

この訃報を受け、ジャズピアニストの小曽根 真がコメントを寄せた。トークを展開したのはJ-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。オンエアは2月17日(水)。

60歳と80歳で、ツアーを予定していたけれど…

チック氏は、J-WAVE開局時に『J-WAVE TRAFFIC INFORMATION(交通情報)』のBGMをオリジナルで制作。このBGMは1988年の開局当初から、2004年3月まで使用されていた。J-WAVEではチック氏の偉大な功績に敬意を表す意味で、2月15日(月)から2月21日(日)までの期間限定でオリジナルBGMを復活中だ。

小曽根は、現在使用されている二代目『J-WAVE TRAFFIC INFORMATION』のBGM制作を担当した。チック氏の逝去について「まだ実感がなくて、ひょっこり日本にやって来そうな気がする」と語る。

小曽根:実は、今年(チック氏と)ツアーを予定していたんです。僕は今年60歳、彼が80歳になるはずだったので、「sixty-eighty」という形でのコンサートを予定していたんですけど、残念ながらそれもできなくなっちゃったので。

何度も共演を重ねるなど、チック氏と親交が深いピアニスト・上原ひろみさんもショックを受けていると小曽根は話す。「今はその現実を体の中に落とし込んでいく時間なのかなと思って、毎日頑張っています」とコメントした。

アーティストとして大事なことを教わった「1分の会話」

小曽根が初めてチック氏と出会ったのは、バークリー音楽大学在学中だったという。学内のコンサートホールで行う演奏会に向けて練習をしていたら、偶然チック氏がやってきたのだそう。

小曽根:前半が学生バンド、後半がチックのトリオが演奏するコンサートがあったんです。僕ら学生バンドが練習していたら、いきなりガチャってステージドアが開いて、チック・コリアが入ってきたので凍りついたのを覚えています(笑)。

その後、チック氏はまっすぐ小曽根のピアノのほうまで向かってきて、「ピアノはどう?」と質問。自分はピアノを評価する立場にないと感じた小曽根が「いや、わからないです。弾いてみますか?」と返したところ、チック氏は「いや、僕は君に訊いたんだ」と答えたという。

小曽根:「I think it’s good piano.(いいピアノだと思います)」と答えたら、彼が座ってピアノを弾いて「ああ、いいピアノだね」って言ってくれたんです。そのときに、俺が学生だとかは関係なく、「自分の思ったことを言っていいんだ」っていうメッセージをガンッともらったんですよ。
別所:すばらしい。プロとか学生とか、肩書じゃないですよね。
小曽根:訊かれたことにちゃんと答えないほうが失礼だということをチックに教わったんでね。それからは自分が演奏するときに、自分が感じたことをまず出していくということをやれば、アーティストとして一歩ずつ前に進んでいくとても大事なことになるなと、たった1分の会話で教わった気がしました。

小曽根は3月3日(水)に、ソロ・ピアノ・アルバム『OZONE 60』を発売。60歳の誕生日である3月25日(木)には、ライブ「小曽根真60th Birthday Solo OZONE60 Classic × Jazz」を東京・サントリーホールにて開催する。詳細は公式サイトまで。

『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜〜木曜の8時35分頃から。