神経科学者の青砥瑞人が、我々の抱えるストレスの種類と効果について解説した。

この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAWAI SEIYAKU SOUND CLINIC」。ここでは11月8日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

ストレスは「ダークストレス」と「ブライトストレス」がある

株式会社DAncing EinsteinのCEOも務める青砥。今回は、神経科学的に見てストレスには2種類あるというテーマで話を聞いた。

青砥:ストレスに対して多くの人はネガティブな印象を持たれていますが、生物的、あるいは人間のストレスの仕組みというのをみていくと、そもそも人体のストレスの仕組みっていうのは、脳だけじゃなくて全身を使ってシステムが構築されているんですよね。なぜそれがあるのかというと、やはり必要だからこそ備わっている大事な仕組みだといえます。

一方で、ストレスは鬱々とした気分を招き健康被害につながるようなケースもある。こうしたネガティブな作用を持つストレスを「ダークストレス」と呼ぶのだという。

青砥:しかしストレスには我々を成長させたり、感動するシーンにおいてもストレスの影響が関わっていたりしています。我々を後押ししてくれたり実は幸せの一部になっていたり、そういったタイプのストレスたちを「ブライトストレス」と呼んでいます。

よいストレスは感動やパフォーマンスアップにつながる

人間の成長や感動に関わるブライトストレスについて、青砥はさらに詳しく解説する。

青砥:僕もよくあるんですけど、たとえば納期前とかになってくると、自分の集中力を高めて一気に大量の仕事をやりこなして、なんとかなる。あのとき、体のなかではストレスホルモンがいっぱい出てるんですよね。だけどそれがあるおかげで、我々のパフォーマンスや生産性、集中力や記憶定着効果を高めるということが知られています。

映画などを観て感動するときにもストレスが重要な役割を果たしているそうだ。

青砥:いろいろな映画や番組を観ていて心を動かされる瞬間があると思いますが、そうなっているときはたいてい途中で我々にストレスをいっぱいかけています。葛藤だったり主人公がすごく苦しんでいるような状態であったりとか、脳は差分を検出することによって感情的な発露を引き起こしていますから、そういうストレス状態を作っているからこそ、感動があるともいえます。いきなりハッピーエンドを見せられても我々の心が動かないというのは、恐らくストレスとの関係性というのもあり、ブライトストレスは我々の幸せや感動にも寄与している、というお話です。

この解説に、サッシャ&ノイハウスも納得できた様子。

ノイハウス:やっぱり普通の会話でも「ストレスって悪いもの」というのが多いですけど、いいストレスがないといい感情は生まれてこない。必要なものなんですね。
サッシャ:よくよく考えてみれば、どうでもいいことってストレスも溜まらないですよね。だからストレスが溜まるっていうことは、そのことを一生懸命頑張りたいとかめちゃくちゃ大事に思っているとか、なんとか成功させたいとか、仕事に対しても真剣に取り組んでいるからストレスが溜まるわけですよね。ということは、それがないとたぶんいいパフォーマンスは生まれないから、「いいストレスの溜まるような仕事をしないといい結果も生まれないっていう風に考えれば……」って感じですよね。
ノイハウス:なんの刺激もないと、モチベーションも上がらないですよね。

さらに詳しく知りたい方は、青砥の著書『HAPPY STRESS (ハッピーストレス) ストレスがあなたの脳を進化させる』(SBクリエイティブ)も手にしてみては。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAWAI SEIYAKU SOUND CLINIC」では、オンタイムのパフォーマンスアップにつながるヒントを処方。放送は毎週月曜日から木曜日の10時54分ごろから。