クラシック・ギタリスト・村治佳織がJ-WAVEに出演。ギターへの思いや、ベストアルバム『ミュージック・ギフト・トゥ』について語ったほか、生演奏も披露した。

村治が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。オンエアは1月5日(水)。

愛される曲を集めたベストアルバム

7年ぶりのベストアルバム『ミュージック・ギフト・トゥ』。タイトルには、こんな思いが込められている。

村治:「トゥ」のあとは、みなさんのお名前とか、トゥミーでもいいですし、トゥユーでもいいですし、プレゼントにこのアルバムをお使えいただけないかなと思ってこんな名前にしました。

別所:素敵だな! いろんな人に届けたいミュージックギフト!

ベストアルバムは、どのように制作されたのか。

村治:コロナ禍がなければ、新作・新録音のアルバムを作っていたはずなんです。でも、私はロンドンのチームといつも制作しています。私が向こうに行くこともできないし、チームが日本に来ることもできないということで、過去の作品をもう一度セレクトし直すベスト盤を作ろうと。選曲はみんなと相談しながら、自分が考えていきました。コンサートでもよく弾く曲、そしてみなさまに愛されている曲を中心に選んでいます。

「映画音楽やクラシックの名曲が並んでいますもんね」と別所。番組では収録曲『愛はきらめきの中に』をオンエア。

村治:『ムーンリバー』とか『花は咲く』とか、『戦場のメリークリスマス』とか『主よ、人の望みの喜びよ』とか、そんな曲たちが入っています。

「ギターはいい楽器」純粋な思いを大切に

日本を代表するギタリストである村治について別所は、「時代を越える名曲たちを奏で、そして後世に伝えていく。まさに音楽の伝道師とも言える存在」と語る。ギターへの思いを訊いた。

別所:演奏する上で大切にしていることってなんですか?

村治:長い間やっていて変わらないのは、ギターはいい楽器だなという純粋な思いなんですね。ここをずっと大切にして伝え続けていくことが、私のこの世に生まれてきた目的のひとつかなって、いつも思っています。

別所:素敵です。ギターという楽器は本当にね、音色に癒されるな。

村治:ギターっていうのは、いろんなジャンルにまたがっている楽器。エレキギターやフラメンコギター、ブラジル音楽もそうですよね。私も軸はクラシックなんですけど、本当にいろんなジャンルのものを取り入れやすいし、音楽の多様性というものを私自身も感じられるし、リスナーのみなさまにも常にお届けできるかなと思っています。

別所:そうですね。それぞれの民族・世界にそれぞれある世界観を、ギターという楽器は軽やかに超越して繋いでくれている、というか。

村治:本当にそうです! そして持ち運びもできるということで、音楽も越えるしギターをひとつ持って旅にも出て行きやすし。なんていい楽器を与えていただいたんだろうって思いますね。

ギターを心から楽しんでいる村治。ベストアルバム『ミュージック・ギフト・トゥ』にはミュージカルの名曲『メモリー』も収録されている。

別所:これはどうしてですか?

村治:1曲だけ新録音を入れようということになって選んだんです。最近ずっと映画音楽を軸にしてやっているので、何か繋がりがないかなと思ったら、ちょうど『キャッツ』が映画化されたんですよね。これだったら映画音楽の括りにも入るし、そして今回の名曲アルバムという中にもバッチリ入るなと思って。これ以外は考えられないという感じで。アレンジをしていただいて、去年の10月にレコーディングをしました。

スタジオでは、『メモリー』の生演奏を披露した。

【radikoで聴く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220105084040
(再生は2021年1月12日28時59分まで)

人生の「定点観測」のような楽曲は?

村治は3月、「東芝グランドコンサート2022」への出演を控えている。1982年から、海外の著名な指揮者やオーケストラ、豪華なソリストらの共演を実現してきた伝統あるクラシックコンサートシリーズだ。

村治:今回はスペイン国立管弦楽団が日本にやってくるんです。ダーヴィト・アフカム指揮で、3月3日(木)が愛知県芸術劇場コンサートホール、3月6日(日)がサントリーホールでの公演です。今回、ソリストがふたりいまして。もうひとりの方が反田恭平さんなんですね。

別所:ピアニストの!?

村治:はい! チラシで私と反田さんが載っているので「共演されるんですか?」とよく聞かれるんですけど、残念ながら違う日の出演なんですね。でも勢いのある反田さんと同時にソリストとして選んでいただけたということも嬉しいなと思っています。

トークのバックで流れていたのは、『アランフェス協奏曲』。村治は「この名曲も沁みますよね」と話す。

別所:この名曲は村治さんにとって、どんな楽曲ですか?

村治:実際10代半ばからステージで弾かせていただいているので、私にとっても定点観測というか。そのときの自分の曲への深まり度合いというのもわかるし、自分がどんな人生を送れているかというのも、この曲を通して感じることができます。

別所:名曲って、自分の人生のライフステージでいろんな聴こえ方がリスナーにとってもするわけだから、演奏家にしてみたらもっとでしょうね! (曲への)解釈も含めて。

村治:そうですね。曲との関係がより深まっていくことで、またお客さんに伝わるものもより深まっていくのかなって思いますね。だからぜひリスナーのみなさんも大好きな一曲にこの曲を加えていただきたいです。

別所:最後に2022年、始まったばかりですけど今年はどんな年にしたいですか?

村治:世の中はいろいろあるかもしれませんが、自分の中は常に前向きでいるってことを更新し続けて、また今年が終わるときにいい1年だったなと思えることを楽しみに1日、1日を大切に生きていこうと思います。

『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜〜木曜の6時30分頃から。

(構成:笹谷淳介)