大根役者など野菜の故事&ことわざは、栄養や栽培など知恵の宝庫

昔の人の教訓や知識などを、簡単かつ風刺的に表現することで言い伝えられてきた「故事・ことわざ」。その中には野菜をテーマにして、食生活や栄養、栽培などの知識が含まれているものも少なくありません。今回は、大根、ごぼう、さつまいもにまつわる故事・ことわざを紹介します。

大根の故事・ことわざ

大根は消化がよいので「あたらない」ことから大根役者と言われる

●大根役者

大根は消化がよいので、お腹の調子が悪くなったり、あたったりすることはめったにありません。このことから、平凡で、あたらない役者を「大根役者」と呼ぶようになりました。

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大根にはアミラーゼ(でんぷん分解酵素)、プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)、リパーゼ(脂肪分解酵素)などの消化酵素が含まれています。いずれも大根おろしのように生で食べるのが効果的です。

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●大根どきの医者いらず

大根の収穫どきにはみんな健康になり、医者がいらなくなるという意味です。古くから、大根はお腹の調子を整え、消化をよくするはたらきがあり、体に良い野菜として認識されていました。

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大根の葉にはビタミンCやK、カルシウムなどの栄養があります。なかでもβ-カロテン(可食部100g中2300µg含有)は葉にだけ含まれ、根には含まれない栄養です。

日本人の食事摂取基準(男性30〜49歳)における1日の推定平均必要量(目安量)に対する大根の葉の栄養素の割合のグラフ

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ごぼうの故事・ことわざ

ごぼうはお尻が、大根は頭のほうがおいしいので「大根頭にごぼう尻」と言われる

●大根頭にごぼう尻

大根は頭の方がおいしいけれど、ごぼうはお尻の方がおいしいという意味です。大根は先の方が辛いので、頭の方が甘く感じられます。また、ごぼうはお尻の方の組織がやわらかいので、このようにいわれます。

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●ごぼうの種まきは柿の葉三枚

柿の木に芽吹いた芽の、葉が三枚ほど開いたころにごぼうの種をまくとよいという教えです。
ごぼうの栽培法には「春まき秋どり」と「秋まき春どり」があります。春まき秋どりのごぼうの種まきは、地域によって多少の違いはあるものの、3月から4月。柿の本葉が3枚になる時期と同じ頃です。これも先人たちが経験から導き出した栽培の知恵です。

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さつまいもの故事・ことわざ

さつまいもの産地、川越が江戸から十三里のところにあったころから「栗よりうまい十三里」と言われる

●栗よりうまい十三里

「里」とは昔の距離の単位です(1里は約3.9km)。「栗」は「九里」に、「より」は「四里」に掛け、九里+四里で「十三里」。ちょうど、江戸から十三里のところに、さつまいもの産地、埼玉県の川越がありました。そのため、さつまいもは「十三里」と言われていたようです。また、川越から来る焼きいも屋も「十三里」と呼ばれていました。それにかけて、焼きいも屋が「栗よりうまい十三里」とふれて売っていたそうです。

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最後に

野菜のことわざにはどんな意味が含まれているのか、食卓の話題にしてはいかがでしょうか。

[大根]栄養たっぷり!大根の賢い保存方法

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ほぼ一年中出回っていますが、晩秋から初冬の秋冬大根が良く知られます。大根の辛みには胃液の分泌を高め消化を促す働きがあるほか、胃腸の働きを助ける数種類の消化酵素も含まれています。旬の時期にはたっぷり味わいたい、体にうれしい野菜です。

最終更新:2022.07.27

文:アーク・コミュニケーションズ
イラスト:林タロウ
監修:カゴメ
参考文献:
『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修(NHK出版)
出典:
農林水産省
農作物について故事・ことわざ


子どものため農業教室・サツマイモ 『どこからきたの?』


独立行政法人農畜産業振興機構 野菜ブック「だいこん」(消化酵素と効果的な食べ方)


文部科学省「日本食品成分表2020年版(八訂)」第2章


厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」