一般的に流通している「大きなキャベツ(平均的な重さ:1200g前後)」は畑で育てますが、プランターで育てるなら小さめの「ミニキャベツ(平均的な重さ:600g前後)※」がおすすめです。涼しい気候を好むので、寒い時期に植えて上手に育てましょう。
本記事内の画像は、すべて「大きなキャベツ」の画像を使用しております(ミニキャベツの場合の収穫サイズは、大きなキャベツの半分くらいとなります)。
ミニキャベツは、葉の根元にわき芽がたくさんつく「芽キャベツ」とは異なります。
芽キャベツについて、詳しくはコチラ
準備するもの
ミニキャベツの苗
深さ30×幅30×長さ60cmくらいの大型プランター
野菜用培養土
鉢底石
移植ごて(小型の園芸用シャベル)
ジョウロ
化成肥料
防虫ネット
防虫ネットの支柱
苗選びと植えつけ
苗は本葉が4〜5枚あり、茎が柔らかすぎない丈夫なものを選びます。プランターの底に、水はけをよくするための鉢底石を敷いて、培養土を入れます。25〜30cmの間隔で、苗のポリポット(簡易のビニール容器)が入るくらいの植え穴をあけ、ジョウロで水を注ぎます。
水が浸透したら、ポリポットからできるだけ根鉢(根と土がかたまりの状態になったもの)を崩さないよう苗を出し、そのまま穴に植えます。植えたら、プランターの底から流れ出るまでたっぷりと水をやり、日当たりと風通しの良い場所にプランターを置きましょう。
タネから育てる場合
ポリポットに4粒ずつタネをまき、芽がでたら間引きをして本葉4〜5枚まで育てて植え付けます。
害虫対策
キャベツなどアブラナ科は、アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、コナガなど害虫がつきやすい野菜です。被害にあうと生育が遅れ、放置すると葉がボロボロになることも。対策としては、植えつけ直後にトンネル状に支柱を差し、防虫ネットを全体にかぶせるようにかけるのが効果的です。
追肥・土寄せ
植え付けの2週間後に1回、化成肥料20gを追肥し、土寄せ(根元に土を寄せかけること)をします。2週間に1度、追肥をします。
肥料が足りないと葉が黄色くなって生長が遅れてしまうので、注意しましょう。
収穫
植え付けから約3カ月後、キャベツの球の上部を手で触ってみて、かたくしまっていたら収穫時期です。
外葉を1〜2枚つけて、結球部分の根元を包丁などで切り取って収穫します。
memo
収穫時期が遅れると、内部の葉が成長して結球が進み、球が割れてしまう(裂球)ことがあります。裂球しても食べられますが、味が悪くなるので、適期になったら早めに収穫するようにしましょう。
最後に
採れたてのキャベツをいろいろな料理で味わってください。

藤田 智
恵泉女学園大学教授・副学長1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
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[キャベツ]栄養と選び方や保存、春&冬&夏秋キャベツの違い
![[キャベツ]栄養と選び方や保存、春&冬&夏秋キャベツの違い](https://www.kagome.co.jp/library/vegeday/img/vegetables/img_cabbage_main.jpg)
ビタミンCやビタミンK、葉酸などを多く含む、アブラナ科の野菜。原産はヨーロッパで、日本で広く食べられるようになったのは明治時代からです。
最終更新:2023.03.28
文:アーク・コミュニケーションズ
写真(撮影): 谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
参考文献:
『NHK趣味の園芸 やさいの時間 藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修・NHK出版編(NHK出版)