[じゃがいも栽培]初心者のプランター家庭菜園!準備&植付け編

じゃがいもは栽培がしやすく、初心者でも失敗しにくい野菜といわれています。今回は、じゃがいもをプランターで育てる場合のコツを紹介します。

準備するもの

種いも

野菜用培養土

プランター(深さ40cm以上の長方形)

鉢底石

移植ごて(小型の園芸用シャベル)

化成肥料

園芸用ハサミ

じょうろ

種いもの準備

種いもは食用ではなく、園芸店で売っている「種いも専用」のいもを用意しましょう。食用のものだと、食用には問題のないレベルのウィルス病に感染していることもあります。食べる分には全く問題ありませんが、感染している場合、収穫量が少なくなってしまうことがあるからです。

種いもを購入したら、部屋の窓辺など、温度が10〜20℃くらいで日当たりの良い明るい場所に置いて、芽を育てます。夜は温度が下がるので、毛布などをかけて保温しておくことをおすすめします。芽が出てきたら、1片が30〜40g程度になるように切り分けます。このとき、出ている芽を均等に切り分けましょう。

種いもは出ている芽を均等に、1片が30〜40g程度になるように切り分ける

切った種いもは、腐らないように2〜3日ほど陰干しをして、切り口を乾燥させます。
すぐに植えつける場合は、草木灰またはじゃがいも専用の切り口処理剤を断面にまぶします。

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小ぶりの種いもや秋植えのものなら、そのまま切らずに植えても構いません。

種いもの植え付け

上記のように種いもを育て、2〜3週間経って、1cmほどの芽が黒くがっしりと伸びたら植え付けます。こうすることで、地上に芽が出るのが早まり、その後の生育も良好になります。

じゃがいもは、pH5.0〜5.5の土を好むので、培養土には何も加えないようにします。

プランターに鉢底石を入れて、土を半分まで入れ、1週間ほどおいて馴染ませます。30cm間隔で深さ5〜6cmの穴を開けます。

穴の底に、軽石をしき、その上に培養土をプランターの半分まで入れます。そこに、種いもの切り口を下にして20〜25cm間隔で並べます。さらに種いもが隠れるように土をかけます(いもの3〜5cm上まで)。

土を埋め戻して平らにならせば、植え付けの完了です。
水をたっぷり与えてください。

芽かきで大きく育てる

植え付けから約1カ月後、芽が出て15〜20cmまで成長したら、芽かきの時期です。

1つの種いもに対して生育の良い芽を1、2本残して、他は芽かきをします。下の写真のように、種いもを持ち上げないよう、残す芽の根元を手で押さえながら不要な芽を引き抜くか、株元近くをハサミで切ります。

1つの種いもに対して生育の良い芽を1、2本残して、芽かきをする

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芽かきをしないと、いもの数は増えますが、1つあたりのいもに届く栄養が少なくなり、大きく育ちません。そのため元気な芽を1、2本残して芽かきをし、いもをしっかり太らせましょう。
家庭菜園で作られた未熟なじゃがいもは、毒素を含む可能性があるため、緑色に変色していなくても、皮を厚めにむいて食べましょう。
皮むきのコツはコチラ

追肥と増し土

芽かきが終わったら、1回目の追肥を行います。株と株の間を中心に、プランター全体に化成肥料を15〜20gほどまきます。

後編となる「2回目の増し土&収穫編」はコチラ

藤田 智

藤田 智

恵泉女学園大学教授・副学長

1959年秋田県湯沢市生まれ。宮澤賢治に憧れ、岩手大学農学部に入学し、同大学院修了。向中野学園高校教員、恵泉女学園園芸短期大学助教授を経て、現職。専門は、園芸学、野菜園芸学。野菜栽培に関連する著書は140冊を超え、「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」や日本テレビ「世界一受けたい授業」などのTVにも多数出演する。家庭菜園や市民農園の指導、普及活動を通じて、野菜づくりの楽しさを広げる取り組みを行っている。
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[じゃがいも]茹で方や保存法、品種別レシピの紹介

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じゃがいもはビタミンCが豊富。炭水化物を多く含みますが、米やパンにくらべて低カロリーです。緑色になった皮や発芽部分には有害なソラニン という物質が含まれるので、その部分は厚めに皮をむき、完全に取り除いてから使いましょう。

最終更新:2023.03.02

文:アーク・コミュニケーションズ
写真:谷山真一郎
監修:藤田智、カゴメ
参考文献:
『NHK趣味の園芸 野菜の時間 藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修 NHK出版編(NHK出版)
『野菜とハーブのプランター菜園』藤田智監修(ブティック社)