JR東日本が検討している秋田新幹線の岩手、秋田県境の新ルート整備で、同社が600億円規模の概算事業費を秋田県や沿線自治体に対し提示していたことが7日、分かった。トンネル新設を含む工事区間は県境をまたぐ十数キロになるとみられる。

 新ルート整備を検討しているのは奥羽山脈の仙岩トンネルを通り、秋田新幹線が走行する田沢湖線の赤渕(岩手県雫石町)−田沢湖(仙北市)間(18.1キロ)。この県境区間は山が険しいため谷底を縫うように線路が走り、悪天候に弱い。
 県境区間の過酷な走行環境を踏まえ、同社は新ルート整備に向けた現地調査を実施。昨年11月ごろ、県や沿線自治体に概算事業費が600億円規模になるとの試算を伝えた。
 同社は県などに対し、事業費規模に加え(1)工期は10年程度の見込み(2)トンネル新設でカーブが解消され走行時間短縮につながる−などと説明したという。
 新たなトンネルの工事区間は延長が10キロを超すとみられる。同社は現時点で掘削地点や形状などの詳細を明らかにしていない。
 深沢祐二社長は5日の定例記者会見で「(新ルートの対象区間は)並行する道路がなく、トラブルの際に乗客の避難誘導が非常に難しい」と述べ、秋田新幹線の県境区間が抱える避難誘導面の課題に言及した。新ルート整備はこうしたリスクへの対応策にもなる。