東日本大震災で被災した宮城県石巻市大川地区の4集落について、街並みを復元した模型の展示会が10日、市河北総合センターで始まった。地元住民やお盆で帰省した人々らが古里の記憶をたどり、思い出話に花を咲かせた。16日まで。
 住民有志らでつくる実行委員会が主催。住民の記憶などに基づき、間垣、釜谷、長面、尾崎の4集落を500分の1の大きさの模型で現し、彩色を施した。
 家々や学校、松林などを再現。「8月にペルセウス座流星群を見た」「海水浴でよく行った」といった記憶を約2500枚のアクリル片の旗に記して並べた。
 石巻市の無職佐々木律子さん(70)は長面集落で生まれ育った。自宅が津波で流され、今も仮設住宅に暮らす。「模型でみんなの思い出を共有できて心の支えになる」と感謝する。
 東京都の無職山田宏治さん(71)は釜谷集落で中学卒業までを過ごした。「子どもたちが農道を走る姿や祭りの準備作業が思い出深い」と郷愁に駆られた。
 神戸大大学院の田中はつみさん(24)は住民から記憶を聞き取るなど模型作りに力を注いできた。「模型を見て生き生きと語り合う姿を見ると、やって良かったと思う。『記憶の旗』の内容をデータ化して、インターネットで見られるようにしたい」と話す。
 参加無料。昼の部が午前10時〜午後4時、夜の部は午後6〜8時。16日は昼の部のみ開く。12日までは「記憶の旗」を立てる活動もしている。