福島県の企業立地補助金を巡る詐欺事件で、役員2人が東京地検特捜部に逮捕された大阪府の太陽光発電関連会社「CKU」が白河市に新設した工場の稼働実績が全くないことが、県の調査で分かった。県は4日、交付決定を取り消し、同社に補助金2億5410万円の返還を命じた。
 県によると、同社は2014年9月、熱交換機の試作・製造拠点の新設名目で補助金を申請し、その後、交付決定を受けた。
 同社は補助金申請時、熱交換機の受注があり、稼働が見込めるようにした発注書を県に提出。県の3回の立ち入り調査時には、その都度「(製造に備える)試作中だ」などと説明していたという。
 会計検査院が今年6月に行った現地調査で、この時点で稼働していないことが発覚。県が補助金申請時の発注書に記された業者に確認したところ、発注の事実はなく、書類の偽造と稼働実績がなかったことが判明したという。
 県庁で記者会見した県商工労働部の新関勝造次長は「県民らを裏切る悪質な事案で極めて遺憾」と説明。立ち入り調査で不正を見抜けなかったことには「チェックが甘かった」と述べた。
 交付決定を取り消したのは「ふくしま産業復興企業立地補助金」で、東京電力福島第1原発事故などからの復興につなげるのが目的。