東日本大震災の被災地などで支援活動を続ける山形市の一般社団法人日本ソーシャルセラピストアカデミー(JAST)が、冊子「こどもこころの防災師」を作成し、小学生を対象に災害をきっかけに生まれるいじめや差別、分断などに向き合う方法を広めている。本年度は復興庁の「心の復興事業」として、被災地の学校などでワークショップを開催している。
 冊子はイラストを使いながら、災害が起きると建物や道路だけでなく、心も傷ついてしまうことを紹介。ストレスを抱え、イライラする気持ちを抱えた状態を「トゲトゲマン」と表現しながら当事者や周囲の気持ちを解説する。
 一人が抱えたトゲトゲは、仲間に伝染することもある。災害がきっかけで生じるいじめや差別といった「心の災害」を防ぐため、「トゲトゲマンのトゲが刺さらないように、トゲが抜けるまで上手に距離を置こう」「トゲトゲをはやらせないように、みんなで話し合おう」などと呼び掛ける。
 法人は震災直後から、石巻市や名取市などを中心に炊き出しやカウンセリングを実施。心のケアに関する知識を持つ支援者が少ないことを実感し、災害心理カウンセラーの講座にも取り組んできた。
 カウンセラーで代表理事の大谷哲範さん(56)は「周りがトゲトゲマンを理解することで、心の傷を減らすこともできるはず。上手で思いやりを持った距離の取り方を覚えてもらえればうれしい」と話す。
 冊子はA5判18ページ。ワークショップの対象は小学3年生以上。保護者らを対象にした講座にも対応する。連絡先は同法人023(600)6764。