東北大大学院情報科学研究科博士課程3年の板垣翔大さん(27)が開発した教育補助アプリ「miyagiTouch(ミヤギタッチ)」の利用が県内外の学校に広がっている。累計ダウンロード数は約3万に拡大。宮城生まれのツールが県境を越え、子どもの学びをサポートしている。

 ミヤギタッチは、教員のタブレット端末に表示した画像に文字などを書き込める無料アプリ。板垣さんが宮城教育大4年だった2012年に完成させた。教室のテレビ画面と連動が可能で、画像を拡大したり印を付けたりして、授業のポイントを分かりやすく伝えられる。
 試作品づくりの段階から開発に全面協力した岩沼市岩沼小(児童626人)。5年生の理科の授業で、教諭の土井謙治さん(38)がアプリを操作し、成長段階の異なるメダカ2匹をテレビに映し出すと、40人の児童が一斉に注目した。
 タブレットに丸を書き込むと、画面のメダカにも赤い丸印が現れる。土井さんは「子どもが集中し、学習の足並みをそろえやすい。授業の準備も短縮でき、子どもと接する時間が増えた」とメリットを説明する。同校では算数や社会など多くの科目で活用する。
 県教委が利用を推奨するほか、県外での利用も増えている。開発を監修した宮教大安藤明伸准教授は「大阪や新潟、三重など県外の学校や教育委員会からの問い合わせも多い。余計な機能がない使いやすさが評価される理由ではないか」と人気の要因を分析する。
 教員を目指す板垣さんは「子どもたちが勉強を好きになるようなツールを目指した。鉛筆や定規のように、ミヤギタッチが何十年も使われ続ける道具になってほしい」と願っている。