◎涌谷、1点差に泣く

 「奈央先生に1勝をプレゼントしたい」。ナインの思いは、1点差で届かなかった。宮城初の女性指揮官・阿部奈央監督(25)が率いる涌谷は初戦で敗退。それでも春は地区大会で大敗したチームが、仙台商を春の県大会で下した仙台高専名取と対等に渡り合った。夏の舞台に成長の跡をしっかりと刻んだ。
 中盤以降に粘りを見せた。五回は2死一塁で菊地が左越えに運んで1点差に。七回は無死一塁から犠打二つで三塁まで進めて同点への執念を見せたが、走塁ミスで好機をつぶした。
 先発の佐々木は9四死球。制球が定まらず苦しい投球が続くと、バックは笑顔で励まし続けた。伸び伸びとプレーする選手たちの胸には「とにかく楽しんで」という監督の言葉があった。大森主将は「奈央先生がいると雰囲気が良くなる。ここまで育ててもらえたのは先生のおかげ」と感謝の言葉を述べた。
 3年生6人が引退して部員は5人となり、秋の地区大会は連合チームを組む見通し。中学、高校を通してソフトボールや硬式野球をしてきた阿部監督は「全員が100パーセント以上の力を発揮して、今日は一番いい試合ができた。彼らと一緒に夏を迎えられてよかった」と笑顔を見せた。初めての夏。思い残すことはなさそうだ。(今愛理香)