45人が殺傷された県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)の再生を巡り、黒岩祐治知事は、施設の小規模、分散化を示した県審議会専門部会の最終報告を踏まえて10月にもまとめる再生基本構想に、各施設の定員規模を盛り込む考えを明らかにした。施設の定員構成によっては「津久井に帰りたい人は全員帰れるように」との家族の希望がかなうかは不透明だ。 「規模感は、家族などと話し合っていく作業の中で最終的に決まってくると思う」。部会が報告をまとめた2日の夜、知事は記者団に対し、構想に規模を盛り込む考えを示した。 報告は入所者の意思決定支援を丁寧に行うことを前提に、現在地の千木良と仮居住先(横浜市港南区)の2カ所に施設を整備し、既存施設も含めて131人全員の入所定員を確保することを明記。各施設の定員は示しておらず、県に委ねた形となっていた。 県は8月中に構想案を示し、家族や議会への説明も経て10月にもまとめるスケジュールを描く。だが報告で施設の小規模化が示された上、入所者の意向確認もまだ準備段階。家族会の大月和真会長(68)は報告を受け、131人の入所定員確保に安堵(あんど)しつつ「部会のスタートは『本人の声を聞いたのか』という問い。津久井に帰りたい人が帰れなければ意見を聞いたことにならない」と話していた。 知事はグループホームも含めた多様な選択肢の提示や時間の経過の中で意向が変化する可能性にも言及、「どういう形で規模感をまとめるかは焦点の一つ。家族会としっかりと気持ちを合わせながらまとめたい」と述べた。