小児がんのことをもっと知ってほしい−。そんな思いを込めた絵本「しろさんのレモネードやさん」が、来年6月に出版される。小児がんを経験した横浜市西区の小学4年生、栄島四郎さん(10)の経験を基に、誰もが一緒に小児がんのことを考えられる絵本だ。12月9、23の両日、制作費用を募るイベントを同区で行う。 物語は「レモネードゆうえんち」が舞台。四郎さんがモデルの主人公「しろさん」が、パートナーの「レモンちゃん」とレモネードを販売する「レモネードスタンド」を開き、病気への理解が広がるよう奮闘する。脳腫瘍になったこと、治療や入院生活など四郎さんが体験したことも書かれ、四郎さんの弟や一緒に闘病した友人らも登場する。 四郎さんが委員長の制作委員会が6月に発足。ともに副委員長の松崎雅美さん(47)=同市金沢区=が本文を、矢原由布子さん(37)=同市港南区=が挿絵を手掛けた。松崎さんは主宰する作文教室で四郎さんを指導し、母の佳子さん(46)とも交流がある。「レモネードゆうえんちのアイデアは教室の子どもから生まれたもので、物語は一気に書き上げた」。イラストレーターの矢原さんは「しろさんが悩む場面なども温かい印象になるよう、ふわっとした色使いを意識した」という。 当初は自費出版も考えたが、「日本中の人に小児がんのことを知ってほしいので、書店で流通する形で出版を」(松崎さん)と決めた。出版社探しは難航したが、今年の夏に四郎さんらがレモネードスタンドを行った縁で、吉備人(きびと)出版(岡山市)から発行されることになった。初版は3千部で、制作委員会で2千部を買い取る。絵本の売り上げは小児がんの薬の研究開発などのために寄付する。 「たくさんの人に絵本を読んでもらい、レモネードスタンドの輪が広がってほしい」と四郎さん。松崎さんは「きっかけさえあれば考えるようになる。病気の子どものために自分ができることがあると、読んだ人が少しでも思ってくれたら」と話す。来年2月には「レディーフォー」のサイトでクラウドファンディングも始めるという。 レモネードスタンドは、12月9、23日とも午前11時から、西口桁下ふれあい広場(横浜市西区)で行う。問い合わせは、松崎さん電話090(2050)6672。