戦後間もなく小学校教諭として児童全員が参加できる創作劇を手掛け、その後は大学講師や歌人として活躍した湯山厚さん=南足柄市広町=が3日、93歳で亡くなった。湯山さんが相談役を務める西さがみ文芸愛好会(菅野正人代表)の企画で、これまでの足跡をたどる特別展「学校劇の先生 湯山厚展」を11月に開催したばかり。遺族と愛好会によってその展示品がそのまま通夜・告別式会場に並べられることになった。 特別展は先月15日から5日間、小田原市民会館で開催された。年表や寄稿などのパネル8点のほか、ガリ版刷りの台本、執筆に参加した小学校の国語教科書など30冊余りを展示。湯山さんはとても喜んで、会場に日参し訪れる人との会話を楽しんでいたという。 「本人が『俺の遺作展みたいだ』というので、『じゃあ通夜の席で飾ろうか』と冗談で言ったら『そうしてくれ』と。いわば遺言ですね」と長男で喪主の澄夫さん(64)は語る。 24年間の小学校教諭時代の教え子たちで特別展に来られなかった人たちもいるだろうと、展示品を自宅に引き取る算段をしているうちに、「年齢もあってか、電池が切れるように」(澄夫さん)特別展の2週間後に亡くなった。 告別式は、8日午前9時半から、小田原市栢山の湘和礼殯(れいひん)館栢山(かやま)(小田急線栢山駅徒歩3分)で。澄夫さんは「お別れに来てくれる人に、父の足跡を見てもらえれば」と話す。当日午後3時ごろまで観覧可能の予定だ。