元衆院議長の河野洋平氏が13日、北朝鮮による日本人拉致問題を巡り、「国交も正常化されていない、植民地問題の処理もできていない国に対し、『返せ、返せ』とだけ言ってもなかなか解決しない」と述べ、まずは国交正常化の手順を踏むべきとの認識を示した。日本による戦前の植民地支配の清算についても、「韓国にはおわびをして、経済援助をした。同じことをしないと、反省の姿勢を示すことにならない」と訴え、北朝鮮への謝罪と経済援助の必要性に言及した。

 東京都内での講演で語った。安倍晋三首相は「拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ない」との立場を示しており、疑問を呈した形だ。

 自民党総裁や外相を歴任した河野氏は、安倍首相が意欲を示す日朝首脳会談の実現性について、「米国は会談するための下地を作ってきたが、日本はそういう雰囲気がない。少し心配だ」と苦言。北朝鮮への圧力の継続を表明する首相や息子の河野太郎外相(衆院15区)の姿勢を問題視した。その上で、「目的達成には譲ることも考えないといけない。日本ももっと努力してほしい」と注文を付けた。

 12日の米朝首脳会談は「トップ同士が会うのはすごいこと。話し合うことで平和が近づいてきた」と評価した。ただ、米側が求める「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」は「とんでもなく難しい作業であることは間違いない」と指摘。日本が核兵器禁止条約に署名しない一方で、北朝鮮に核放棄を求める姿勢には「自己矛盾を感じる」とし、「唯一の被爆国として核廃絶の先頭に立つと言う以上、スタンスをはっきりさせるべき」と強調した。