アジア各国の音楽や舞踊が披露される「音楽のまち・かわさきアジア交流音楽祭」が22、23の両日、JR川崎駅周辺で開かれる。毎年出演している一人で、ベトナム月琴奏者の和田尚悟さん(35)=川崎市宮前区=は国内外を回り、民族楽器の魅力を伝えながら現地の人と交流してきた。今年も出演予定で、「音楽を通じて国の文化を知ったり、国境を超えて一つになれたりする。多国籍な街・川崎らしいイベントを楽しんで」と来場を呼び掛けている。 川崎で生まれ育った和田さんは高校卒業後、「海外を知りたい」と18歳で日本とベトナムの交流事業に応募。ベトナムで約1年半過ごし、現地を巡るツアーなどに参加した。小さな村で民族楽器の演奏を聴き、ベトナム月琴と出合った。 「もともとギターをやっていたので弦楽器が好きだった。月琴はその舞台でも奥の方でひっそりと弾かれていたが、満月を意識した形もおしゃれだと思った」 ベトナムでも奏者が少なく、帰国後に独学で弾き始めた。全ての音階が出るように改良も加え、民謡に限らずポップスやアニメソングなど幅広いジャンルに挑戦。ベトナムのほか、日本や米国にあるベトナム人コミュニティーでも披露するようになり、「月琴でいろんな曲が演奏できることに驚かれ、喜んでもらえた」。介護施設などで働く傍ら、さまざまなイベントに参加し、日本の第一人者としてベトナム月琴の魅力を広めていった。 演奏先で人との交流も重ねてきた。「在日ベトナム人から習慣の違いで苦労している話を聞いたり、日本人からベトナムがどんな国かを聞かれたり。音楽をきっかけにお互いの文化を知れた」。朝鮮舞踊やオーストラリアの民族楽器など、他国の伝統芸能とコラボレーションすることもあり、異文化理解が広がった。 アジア交流音楽祭への出演は第2回から続け、今年で12回目。「いろんな種類の民族楽器や踊りが見られるので、楽しみながら各国の文化に関心を持ってもらいたい」◇ 音楽祭は川崎駅周辺の8会場で、両日とも午前11時から午後5時ごろまで開催。アジア各国や日本の計79組が出演する。観覧無料。地元のアジア料理店の屋台が並ぶ「かわさきアジアンフェスタ」も同時開催される。各実行委員会の主催。