神奈川県横浜市緑区の長津田辻自治会が設立70周年を記念し、各家庭に眠っていた写真約160枚を集めた「高尾原に暮らす」を発行した。地域の歴史を一冊にまとめた自治会長の岡部豊さん(66)は「当時の暮らしぶりを伝える写真が集まった。新住民にも地元の歴史を知り、誇りや愛着を持ってもらいたい」と話す。 自治会は70世帯、20企業が加盟。区内で一番高い高尾山のふもとにあり、一帯は高尾原と呼ばれる。 全6章で構成し、最終章の「語り伝えたいこと」では、地区内の史跡や歴史を紹介。明治初期に日本の地図作りの原点となった一等三角点が設置されたことや縄文末期の遺跡「西ノ原遺跡」に触れた。 戦争中に「警戒警報」「空襲警報」の電波を送受信した「長津田無線中継所」の変遷も、1952年以降に撮影された写真5枚とともに記載した。 中継所は56年に廃局したが、地元の協力に感謝した当時の電電公社が現在の岡部正義さん(70)宅の一角に公衆電話を設置した。小学生だった正義さんは「地区の電話はこの1台だった。電話がかかってくると、聞いた用件を自転車で伝えて回ったよ」と振り返る。 「行事の記録」の章には、大みそかの行事「悪魔っぱらい」も掲載した。地域に伝わるが、新住民には知らない人もいる。代々この地に住む編集委員の岡部義明さん(70)は「これが終わらないと正月が来ない感じがする」と語る。 豊さんは「地域の歴史や昔話を語れる人が少なくなってきた。写真集を見て自治会への関心が高まり、世代間交流が活発になれば」と話す。 A4判、全64ページ。問い合わせは岡部豊さん電話045(921)9780。