RSウイルス感染症が、全国的に流行の兆しを見せています。RSウイルスには、生後1歳までに半数以上が、2歳までにほぼ100%の子どもが少なくとも1度は感染するとされています。保育所に通う子どもは、ほぼ100%感染すると言っていい感染症です。

 今回は、厚生労働省が発行する「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」から引用して、RSウイルス感染症の詳細情報をお伝えします。

RSウイルス感染症にかかったら、いつから登園ができるの?

 まず、RSウイルス感染症にかかった場合、いつから保育所に登園可能になるのでしょう。厚生労働省が発行する「2018 年改訂版保育所における感染症対策ガイドライン」によると、RSウイルス感染症にかかった場合の登園の目安は『呼吸器症状が消失し、全身の状態が良いこと』とされています。

 これについて感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「わかりやすく言えば、『症状がなくなって元気になったら、保育所に登園してもいい』ということでしょう」と話しています。

RSウイルス感染症の症状と特徴・・・乳幼児は特に注意を!

 RSウイルス感染症は潜伏期間4〜6日を経て発症します。

 呼吸器の感染症で、乳幼児期に初感染した場合は症状が重く、特に生後6か月未満の乳児では、重症な呼吸器症状が生じ、入院管理が必要となる場合も少なくありません。

 一度かかっても十分な免疫が得られず、何度も感染する可能性があります。しかし、再感染・再々感染した場合には、徐々に症状が軽くなります。大人では鼻炎程度の軽い風邪の症状が見られます。

感染経路・・・2歳以上の園児、保護者や職員も注意!

 主な感染経路は、飛沫感染及び接触感染です。

 2歳以上の子どもが再感染・再々感染した場合は、症状としては軽い咳や鼻汁程度しか見られず、保育所にいつもと変わらず通っていることがあります。この場合、この子どもが感染源となって周囲に感染が広がることがあるので、注意が必要です。

 また、保護者や職員が感染し、そこから感染が拡大することもあるので、予防が重要です。

予防・治療方法

 ワクチンや抗ウイルス薬の開発が進められていますが、まだ実用化はされていません。

 飛沫感染や接触感染の一般的な予防・・・手洗い、咳エチケットなどが重要です。

 治療は基本的には症状を和らげる対症療法になります。

保育所における具体的な感染拡大防止策

 保育所では、乳幼児が長時間にわたり集団生活をするため、一人一人の子ども、そして集団全体の両方について、健康と安全を確保する必要があります。そのためには、次のような感染拡大防止策が必要です。

○咳が出ている子どもには、マスクの着用を促す。
○日常的に子ども、保育士等が手洗いや咳エチケットを実施する。
○保育環境を清潔に保つ。
○感染症情報には絶えず注意を怠らず、流行状況を把握するようにする。
○流行期には、0歳児のクラスと1歳以上のクラスはお互いに接触しないように離しておき、交流を制限する。
○特に呼吸器症状がある年長児が乳児に接触することを避ける。

再登園するときには、登園届の記入・提出を!

 再登園する際には、保護者に対して、登園届の提出することを推奨しています。これは、保育所での集団感染をできるだけ防ぐために、医療機関で「病状が回復し集団生活に支障がない状態」と判断されたことを、保育所に伝えることを目的としています。登園届は、一律に作成・提出する必要があるものではありませんが、保育所との情報共有のためにも、提出をするといいでしょう。記入は保護者が行ってください。

次の感染症にかかった場合も、同様の対応を!

 保育所入所児がよくかかる感染症には、溶連菌感染症、マイコプラズマ肺炎、手足口病、伝染性紅斑、ウイルス性胃腸炎、ヘルパンギーナ、帯状疱疹、突発性発疹などがあります。これらの感染症についても、それぞれ登園の目安があるので、それを参考に医療機関の診断に従い、登園届の提出をお願いします。

引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ2022年第26週
厚生労働省:保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏