インフルエンザの患者報告が各地であがっています。

 国立感染症研究所の第33週の(8/15-21)の定点報告によると、福岡・佐賀・愛知・岡山・沖縄・宮城・北海道・東京・千葉など全国で広く患者報告があがっています。

 現在、報告数自体は少ないものの、ここ2シーズン大きな流行がみられなかったこともあり、冬にかけて注意が必要です。

 インフルエンザは、集団生活で広がる可能性もあり、学級閉鎖などの措置がとられることもあります。

 2022年6月22日には、東京都立川市の小学校で学級閉鎖が起きています。

 佐賀県の第33週(8/15-21 インフルエンザ定点39ヶ所)週報では、8例の報告がありますが、いずれも10代以下です。

佐賀県では…

 佐賀県健康福祉政策課は、「少数ながらも、報告数があがっているのは承知しています。しかし、新型コロナウイルス対策で、感染リスクのある場所でのマスク着用、手指衛生、こまめな換気と言った、基本的な感染対策をとられている方も多いと思いますので、呼びかけなどを行う段階にはありません。現在は感染者の動向に注視しているところです。」としています。

感染症の専門医は…

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「第33週は、学校などが始まる前のデータであり、今後の予測がつかない段階です。しかし、この2年間、大きな流行がなかったことや全国でちらほら報告があがっていることから、患者報告数の動向には引き続き、注視して行く必要があります。特に秋以降は注意が必要です」としています。

日本感染症学会は…

 日本感染症学会は、2022年〜23年の秋冬にインフルエンザの流行を予測しています。

 2022年7月22日に出した医療機関への提言で、「過去2年間、国内での流行がなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられます。年齢群によっては、抗体保有率が低く、一旦感染がおこると、特に小児を中心に大きな流行となるおそれがあります。」とした上で、可能な限り多くの人にワクチン接種を呼び掛けています。

インフルエンザの予防方法

 厚生労働省は、他の人への感染を防ぐための「咳エチケット」をキーワードに、マスクの着用や人混みにおいて咳をする際の注意点について呼びかけています。

・咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう。
・マスクを持っていない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
・鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、 手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗いましょう。
・咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
※咳エチケット用のマスクは、薬局やコンビニエンスストア等で市販されている不織布製マスクの使用が推奨されます。
※マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用しましょう。
※咳エチケットを心掛けることは、周囲にウイルスをまき散らさない効果があるだけでなく、周りの人を不快にさせないためのマナーにもなります。

 また、マスクの着用に加え、流水・石鹸による手洗い、アルコール製剤による手指の消毒が推奨されています。

 インフルエンザの予防方法は、新型コロナウイルス感染症など、他の感染症の予防方法としても有効とされています。引き続き、基本的な感染対策をしていきましょう。

引用
厚生労働省「令和3年度今冬のインフルエンザ総合対策について」

日本感染症学会 2022-2023年シーズンのインフルエンザ対策について

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏