インフルエンザの流行が心配されています。国立感染症研究所の第42週(10/17-23)速報データでは、全国におけるインフルエンザ定点当たり報告数総数は106。北海道から沖縄まで、南北問わず感染者が発生しています。

大阪では小・中学校で学級閉鎖が

 大阪府感染症情報センターの「インフルエンザ施設別発生状況第7報」(10/17-23)によると、この週には34人の中学生と4人の小学生がインフルエンザにかかり、計4クラスで学級閉鎖が起こっています。定点あたりの患者数も、少しずつ伸びています。

愛媛では、A型のインフルエンザウイルスが検出

 また、愛媛県感染症情報センターによると、定点あたりの報告数が第41週(10/10-16)の0.03人から、第42週(10/17-23)には0.25人に伸びました。これは全て今治保健所からの報告で、迅速検査の結果はA型とのことです。

 愛媛県立衛生環境研究所によると「患者の発生はまだ散発的で、これが流行につながるかどうかというのは、まだまだ判断がつきかねる状況である」とのことです。

感染症の専門医は・・・

 感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、「インフルエンザは一昨年、昨年と、2年続けて流行がありませんでした。しかし、今年はこの時期に少しずつ感染者が発生していること。そして、海外からの渡航者の入国制限措置が緩和され、全国旅行支援も行われているため、人と人が接する機会が大幅に増えています。それらを考えると、インフルエンザの3年ぶりの流行の可能性は高いのではないかと思います」と語っています。

インフルエンザの予防法は?

 インフルエンザの予防法には次のようなものがあります。

1.外出後の手洗いなど
 流水・石けんによる手洗いは、手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず、新型コロナウイルスなど接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。

2.適度な湿度の保持
 空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適度な湿度(50〜60%)を保つことも効果的です。

3.十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
 体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスの取れた栄養摂取を日頃から心がけましょう。

4.人混みや繁華街への外出を避ける
 インフルエンザが流行してきたら、特にご高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは、一つの防御策と考えられます。

5.流行前のワクチン接種
 インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されています。インフルエンザワクチンの接種回数は、13歳以上の方は原則1回、13歳未満の方は2回です。インフルエンザは例年1月末〜3月上旬に流行のピークを迎えます。ワクチンを接種してから効果が現れるまで2週間程度かかるとされているので、遅くとも12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられています。また、新型コロナワクチンとの同時接種も可能ですので、これから寒くなる季節のインフルエンザ・新型コロナ同時流行に備え、ワクチンで予防しましょう。


引用
国立感染症研究所:IDWR速報データ2022年第42週
大阪府感染症情報センター:インフルエンザ施設別発生状況(第7報)
愛媛県感染症情報センター:愛媛県感染症情報第41・42週
厚生労働省 インフルエンザQ&A

取材
大阪府済生会中津病院感染管理室室長 国立感染症研究所感染症疫学センター客員研究員 安井良則氏